紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

A.R ページ21

、


新曲とアルバムの発売が近づいてくる

それだけでわくわくして
どきどきして

徐々に解禁される情報に
ファンのみんなが喜んでくれること

嬉しいと一言で表すには
あまりにも簡単すぎて他の言葉を知りたくなる


なのに


「もうすぐ、ぞうぜーい！」
「ぜーい！」


微塵もそんなことを感じない２人



「Aさん、買わなきゃいけないもの買いましたか？」

「はーい！」

「何を買いましたか？」

「冷蔵庫！」

「うそつけ！」

翔平とAは相変わらず二人で
子供みたいにはしゃいでいる。


「翔平、そろそろ時間じゃない？」

「あ、そうだった」

そう言ってあげると翔平は鞄を持つ。


「翔平行っちゃうの？」

「んー、ごめん仕事だから」

「早く帰ってくる？」

「わかりませんなー。あ、お土産は買ってきてあげる」

「お土産！じゃあ、エクレアね！」

はいはいと言って翔平はリビングを出ていった。

今Aはエクレアにハマっていて
いろんなコンビニのを食べ比べている



「陸さん！」

「んー？」

直ぐに返事をするのは今の気分では嫌で
どうしても力のない返事をしてしまう。


「陸さん！」

「なーにー」

「りーくーさーん！」

「はあーい」

スマホを見つめたまま返事をしていると


「りっくん！聞いて！！」

「…どうしたの？」


少し怒った顔をして
ソファーに座る僕の膝の前に来て
両ひざに手を置くA



「あ、こっち見た」

満足そうに笑うA


どうも僕は君に敵いそうにない。



「どうしたの？」

「ドラマのお仕事きましたー！」

パチパチーと自分で言うA


「良かったね！」

「今度始まる恋愛ドラマの
３話から出るんです！」

「すごいねー！」

「ふふふ、しかもサッカー選手役！」

「サッカー選手！？」



いや待って、なんのドラマよ。



「主人公の妹でサッカー選手で
主人公もサッカーをしていたみたいです」

「そうなんだ…」

「てことで、サッカーしましょ」



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