紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

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「あ、これ海青くんの分！」

タピオカの入っていない物を袋に戻すA



「うわぁーどれにしよ！どれにする？慎くん」

「翔平さんたち先に決めてください」

「翔平が飲みたいのこれだよ？」


「さすがA！」

「翔平いつもこれだもん」

ニコニコする２人。


いつもなら気にもならないのにな…



「あ、タピオカー！」

「陣さんがくれたよ！昂秀くんも飲もー」


ゾロゾロと戻ってくると年上から取っていく。



「Aさん、長谷川さん、こちらでインタビューお願いします」

「は、はーい！翔平お仕事終わったら連絡してね！」

「連絡する、お疲れ様」

手を振って見送る翔平と目が合う。



「さっきからどーした藤原樹」

「翔平もAが好きなんだなって」

「グッ、ゴホッ！」

タピオカを飲んでいた翔平は咳き込む。


「きゅ、急だな！？」

「いや…今までなんで気づかなかったのかなって考えてただけ」

「急だわ！１の最後で俺のことは終わってんの！！」


「１？」


「あー、メタ発言だったわこれ」

翔平は口元を拭いてため息をつく。




「そんなことに気づいたからって
樹に関係ないだろーさっさと飲め」


「なに？諦めてんの？」


「……うっさい。諦めてたのはお前だろ」


「諦めるのやめたし、俺は」



「Aを泣かせないって決めてんの」


翔平は目も合わさずにそう言って
盛大にため息をついた、



「ずっと特別で大切だけど同じくらい
それ以上に後輩も特別なわけ」


「は？」


「…ずっとAを好きで諦めなくて
逃げないで頑張ってる慎を知ってるから」

「・・・」




「今のまま、ずっと隣で笑わせてたいんだよ」



「なんだよそれ」

「ほっとけ」


翔平は鼻で笑ってタピオカを飲む



ストローを登っていくタピオカは
翔平が言わずにしてる言葉の全てみたいで

それを飲み込む翔平は
誰よりもAを想い続けてる




「でも彼氏ができたらAの隣で
Aを笑わせるのはその彼氏じゃん」


「・・そうかもな」


「それでいいわけ？」




「じゃあ・・仮に俺が本気だしたら
樹も本気だしてAの彼氏ポジ狙う？」




「ずっと本気だけどまぁもっと頑張る」


「じゃあ、本気ださねえー」

翔平は笑って楽しげにタピオカを飲み干す。






「どうせ捕られるなら樹より慎がいいから」


「は、はあ！？」




俺の幼馴染みはAみたく

いじわる気に笑うのだった。


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