紅一点、君は百点、僕らは満点 ３

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女の子のキュンのために
フラれるのが確定なタクミがやや不憫だけど。




「だってタクミさんが気づいてないだけで
タクミさんはヒロインのこと大好きだよ？
あの告白でヒロインを選んでたらって
今から後悔してハルマくんと対立するとか」


最高！と叫ぶA

なんかよくわからないけど
喜んでるし、いっか



７話を見始めると
タクミがヒロインに猛アピールで
ヒロインはタクミに戸惑っている様子だった



「このヒロイン、初恋が叶ってるんだ」

「そうだよ…でもハルマくんに惹かれつつあるから迷ってるの」

「へー」


「優しいハルマくんを知っていくと
意地悪してきた頃のハルマくんも浮かんで
そのとき支えてくれたタクミさんが浮かんで
告白してフラれたけどまだ吹っ切れてないの」


ヒロインの心情を事細かに拾い上げる
感受性が豊かなA



「タクミは告白のことなんも言わないじゃん」


「だから２人の恋が叶わないんだよね！

もしかして何か言っていたり
タイミングが少しでも違ったら

この恋が叶ってたかもしれないんだよ？」




話が進んでいくとAの言う通り
タクミとハルマはヒロインを巡って対立



『…お前がいないあいだアイツが
どんな気持ちだったか…知らないくせに！』

『知らないよ。…でもわかったんだ
あの子がいないのが寂しくて
気づいたら帰ってきてたんだよ！！』




俺にはやっぱりタクミの良さがわからない。

失ってから気づく、ってやつなんだろうけど
俺なら絶対失う前に気づく。

諦めることはあるかもしれない、
それでもタクミのようなポジションを
手離すなんてこと絶対にしない。


この横顔を見られるポジションの価値を
手離してから気づくなんて最悪だと思う。


タクミを見ていると
手離す前に諦めることを諦めて
本当に良かったと思う。


『タクミさん…私…』

『…わかってるよ。行っておいで』


タクミはヒロインを送り出して
ヒロインとハルマがくっついて物語は終わった



「うわあああん！タクミさあああん！」

号泣するA




「私が幸せにしますうううわあああああ」


こいつ、頭大丈夫か…





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