紅一点、君は百点、僕らは満点

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「ねぇ、Aさん」

「ん？」

「これもプレゼント」


さっき見つけたそれを足元に置く。


「えっ、これ」

普段はあんまり履いていないヒールのある靴。


「ヒールだし歩きにくかったらごめんなさい」

「う、ううん！履いていいの？」

「…はい」

ストラップを外し、Aさんの足首を持つ。

なるべく力を入れず、優しくそっと。


「ふふっ」

上から笑う声がして、思わず見上げる。



「なんか、シンデレラになった気分」



何気ない言葉にドキッとした。
自分は何をしているのかと冷静になる一言だった。


ワンピースをプレゼントして、
ヘアアレンジまでしてもらいに来て、

挙げ句に靴まで履かせてしまっている。


身を任せてくれているのは、年下だから？

ただのメンバーだから？


これが、他の誰かならどんな顔をするの…？



「Aさん」

「ん？」


「もう十分、シンデレラだよ。すごく綺麗」



キザなことばかりして、ついにはわけのわからないことを言ってしまった。

でも効果があったのか顔を赤くしてくれる。


このまま王子様さながら足にキスでもしてしまえば…

でも、そんな勇気はまだない。






「じゃあ、行きましょうか」




せめて今は、あなたの前に差し出したこの手を握ってもらえることだけを祈って





「デートの続き」


誰も知らないあなたを教えて？




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