紅一点、君は百点、僕らは満点

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誰よりも近い存在。

そんな自信がある。


だからって、弟と認識されているわけじゃない。
ちゃんと男であることを意識してもらえるように努力してる。



昨日今日、Aさんへの想いを自覚して

Aさんを困らせるような大人とは違う。



「ま、慎くん？」

無意識に顔を近づけてしまっていて勢いよく離れる。


「す、すいません！」

「う、ううん大丈夫」

顔を赤らめるAさん。



あのインスタの一件から衣装は
スカートを準備される機会が増えたみたいで、

その姿を見るたびに
きっかけを作ったのが自分で嬉しくなる。


「じゃあ、ここまで行きましょうか」

「…うん」

車道側にさりげなく行ったのに


「ありがとう」

気づいて優しく笑ってくれる。



「あ、そういえばこの前のドラマ観ましたよ」

「えっ！」

「中盤のデートシーンの衣装、あれ酷かったですね」


デートシーンで着ていたシャツのワンピース。

少し変わったデザインで可愛かったけど
Aさんの華奢な身体には合っていなかった。



「でも、最後に着ていたドレスコードは最高に似合ってました！色がすごく良かったです」

淡い青みのある紫色のドレス。
あれは凄く似合っていた。



「藤色がベースなんだって。何色かは私もよくわからないけど」

「ふじ？」

「うん、お花の藤。すっごく綺麗な花なんだよね」


なんとなく花はわかるけど詳しくわからず悩む姿にAさんが微かに笑う。



「春になったら見に行こっか？全国的に結構名所あるんだよ」

「ぜひ！どうせなら遠くてもいいですね」

「九州とかでもあったと思う」


軽い気持ちで言ってみると本当に遠い場所を提案される。



「じゃあお泊まりですね？」

「えっ！？」



「冗談です」


目を大きくして驚く姿が可笑しくてつい吹き出すと顔を赤くして背中をつねられた。



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