紅一点、君は百点、僕らは満点

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、


頭のなかに陣さんを思い浮かべることで
いつもの自分と冷静を装う。

本当は、そんなこと、できない。
本当なら今すぐ抱き締めたい。



わからないならそんな恋やめちゃえ

って言ってしまいたい。




でもきっとAにとって

優しいお兄ちゃんポジションの人間が
そんなことしてしまったら、傷つけてしまう。



「もう連絡だけをしてて、

でもそれも三ヶ月前が最後で…、

自分から連絡できなくて」



可愛い可愛いAが悩んでる。

ちゃんと優しいお兄ちゃんとして、
正しい答えを言わなきゃいけない。




「…大丈夫だよ、Aから連絡してみよ？
今は忙しいだけできっと返事くれるよ」

「そ、そういうものですか？」


「……うん、Aが好きな人ならきっと優しい人でしょ？大丈夫だよ」


頭をゆっくり撫でるとくすぐったそうに笑う。



「それに、こんなに可愛いAを無視するようなやついないよ絶対」


「ありがとう、陸さん」



りっくんがいつのまにか陸くんになり、
最近はもっぱら陸さん呼び。



いつのまにこんなに綺麗になったんだろ…



細すぎない白い手足がパジャマから伸びる。
ハーフパンツとゆったりとしたシャツ。



そんな姿はもう見慣れているはずなのに、

いつからかこの白い手足を
小さくて丸い頭を


自分の腕のなかに閉じ込めてしまいたいと

自分の全部で隠してしまいたいと思うようになったんだろう。





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