検索窓
今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:349,746 hit

F.I ページ3




17人でいるのが当たり前になったのはいつだろうか。



男だらけのグループになると思ったのに

まさかの紅一点、女の子が色を添えて

男とは違う力強さとしなやかさで
人を魅了するダンスを踊る


このグループのメインパフォーマーが椅子に座って本を読んでいる。


明るい性格だけど本当に真面目で、
オンとオフの切り替えの早さはナンバーワン。

本当に同い年なのだろうか。



「樹くん、どうしたの?」

「えっ?」

「視線、すごいんだもん」


クスクス笑い、本を閉じる。
最近のブームが読書だそうだ。



「いや、別に何もない」

「イケメンなんだから長時間見つめてこないでよー」

おどけて言う彼女からは笑い声が絶えず、にこにことこちらを見ている。



「長時間って、そんなに見てねーし」

「樹くんが見つめる1分は私からしたら5分、いやもっとなんだからね」


あ、でも10分くらいかもと首をかしげる彼女はメンバー全員をくん付けで呼ぶ。



リハーサル室には2人。

2人になることは今までなかったから何を話したらいいかもわからない…。


17人でいるときは何も思わないのに…。



「ねえねえ樹くん」

「…なに?」

「そろそろお誕生日だね」

一ヶ月後に迎える誕生日。
そろそろどころか、まだまだ先だと思うけど…。



「二十歳になったらなにがしたい?」

「そうだなー」

「私はねー、お酒飲むんだー。しかもね一番最初に誰と飲むと思う?」


俺の話を聞いてたんじゃないのかよと思いながら楽しげに話す彼女を鼻で笑う。

これは馬鹿にした笑いとかではなくて、
彼女のペースにあっというまに巻き込まれてることがおかしくての笑い。



「誰とか聞いてほしいの?俺に」

「うん!聞いて聞いて!」


「めんどくさいなー。…じゃあ、誰と?」



「それはねー」





そのとき、Aの笑顔がグラッと揺れた。






.→←設定



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (144 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
703人がお気に入り
設定タグ:THERAMPAGE
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

梨味(プロフ) - ナイトさん» 感想をありがとうございます。続きも大好きと言っていただけるようのんびりではありますが頑張りますのでまたぜひ読んでみてください。感想ありがとうございました! (2019年9月22日 18時) (レス) id: 190515c801 (このIDを非表示/違反報告)
ナイト(プロフ) - お話大好きです!切ないけどそういう系が好きなので!続きも楽しみです! (2019年9月22日 14時) (レス) id: b4456d44f3 (このIDを非表示/違反報告)
梨味(プロフ) - やなぎさん» 読んでいただけたことに大変嬉しく思います。そして最大級のお褒めをいただきありがとうございます!このお褒めの言葉を支えにのんびりではありますが更新を頑張りたいと思います、ありがとうございます。 (2019年9月22日 13時) (レス) id: 190515c801 (このIDを非表示/違反報告)
やなぎ(プロフ) - ほのぼのしてると思いきや、切ない恋愛要素もギャグっぽい要素もあってスラスラ読めます…。梨味さんは天才ですか!? (2019年9月22日 10時) (レス) id: 9fa79fa5ce (このIDを非表示/違反報告)
梨味(プロフ) - MoMoさん» コメントありがとうございます!返事がこれで出来ているのか不安なところがありますが、ご期待に応えられるよう努力させていだだきます。もう少しお時間頂くことにはなりますがお待ちいただけると幸いです。頑張ります! (2019年9月22日 0時) (レス) id: 190515c801 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:梨味 | 作成日時:2019年9月19日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。