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冴島side
まだ状況の把握ができていないのか、きょろきょろとせわしなく瞳を動かすAの手を、ぎゅっと握りしめる。
もう二度と、離さぬように。
その手にぽたぽたと落ちる水滴を拭うことなく、Aの雪のように白いバラ色の頬をそっと撫でる。
────ねえ、A。私たち、ずっと待ってたんだよ。もっとずっと、一緒に笑い合いたいの。
・
・
・
『けほっ、げほっ、……』
呼吸が安定してきて、挿管を外す許可が下りたAは、苦し気に顔を歪め、せき込んでいる。
白「A……、分かる？」
『────わた、し……』
ちいさくそう呟いたAの酸素マスクが微かに曇る────ああ、やっぱりAはここにいる。
新「ちょっと失礼します」
Aが目を覚ました、という情報は、瞬く間に院内に広がっていて、その話を聞いた新海先生と西条先生が、わざわざ駆け付けてくれた。
・
新「────大丈夫そうです。見当識障害もないし、びまん性大脳皮質腫脹ももうほとんど問題ありません」
その言葉にほっと胸をなでおろす。
冴「A……よかったね」
そうちいさく声を掛ければ、ふわりと微笑んで頷いた彼女の顔は、驚くほど美しかった。
そんなAは、そっと自分の左手を持ち上げて、その薬指に付けられた、空色の指輪を見て、満足気に笑った。
眩しいほど幸せそうなその表情に、こっちまで頬が緩む。
そして、ふと、隣のベッドに視線を移した彼女は────まるですべてわかっていたかのように、ちいさく目を伏せるだけだった。
そんなAに、心臓がきゅっと痛くなる。
ごめんね、ごめんね。あなたの大切なひとを、私は守ってあげることができなかったの。
Aの目尻からは、一粒の雫がすべった。
『────めぐ、み……』
白「ん、どうしたの？」
か細い声で白石先生の名前を呼んだAに、哀し気な表情で問いかけた彼女は、ベッドの傍に腰かけた。
『こうさく、目覚ますかな……』
顔をくしゃりと歪めてまっすぐに私たちを見つめるその目は、必死だった。
白「、ごめん、ごめんね……」
目線を下げてただひたすらに謝る白石先生に、Aは、ゆっくりと手を伸ばした。
『いいの……ほんとは、わかってたから』
そういった彼女の頬を、するすると涙が滑っていく。
『今は、会えない、けど────』
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らむれもん - ちーさん» たくさんコメントありがとうございます（＞＜）本当に感謝です〜〜！！ (2019年3月10日 11時) (
レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - こちらこそ拝見させていただきます！よろしくお願いします( ´∀｀) (2019年3月10日 0時) (レス) id: cd2b62e1d4 (このIDを非表示/違反報告)
らむれもん - ちーさん» ありがとうございます！いろいろな意味で！続編もぜひ見て頂けると嬉しいです(^^*)これからもよろしくお願いします！！ (2019年3月9日 21時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - 謝らないでください！SNSは色々あるので大変ですから、、 お話変わりますが、完結おめでとうございます！そしてお疲れさまでした！ (2019年3月6日 21時) (レス) id: cd2b62e1d4 (このIDを非表示/違反報告)
らむれもん - ちーさん» すみません…(´;ω;｀)現在やるか検討中です(笑)せっかく同じ好みの方がいらっしゃったのに、残念です… (2019年3月3日 10時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむれもん | 作成日時：2019年1月1日 22時
