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藤「あ、もうこんな時間」
その言葉に腕時計に視線を落とせば、確かにかなりの時間がたっていた。
藤「みなさん、ほんとありがとうございました。
仕事があるひとは、戻りましょう！」
その言葉に、あちこちで“ええー”という落胆の声が広がる。
でも仕事は仕事だ。みんな黙々と片付けを始める。
橘「……あ、────ちょっと待ったぁ！！」
突然の大声に、肩が跳ねる。
橘「悪い悪い、忘れかけてた。
あと二分、二分だけ時間ちょうだい！！」
それを区切りに、スタッフたちは次々に手を止めて、橘先生の次の言葉を待った。
橘「あるひとから頼まれててね。
────もうひとつ、サプライズがあったんだ」
彼は、そう言いながら一枚のはがきを藤川に手渡した。
美しい透き通った島々の写真の絵はがきだった────私の脳裏に、あのやさしい笑みが浮かぶ。
あれ、もしかして。
藤「……？」
藤川は、絵はがきをぺらりと返す。その途端、藤川の表情に笑みが広がる。
藤「────“藤川先生、冴島さん、結婚おめでとう”」
ゆっくりとした口調で話しはがきに書かれた文面を読み始めた藤川の言葉に、皆、真剣に耳を傾ける。
藤「────“田所です”」
“田所先生”。懐かしい名前だった。
私達のフェロー生活を、ときに厳しく、穏やかに見守ってくれた恩師のひとり。
私たちが道に迷えば、いつもあのやさしい笑みで手を差し伸べてくれた田所先生だ。
スタッフのあちこちから声があがる。
田所先生は、この救命センターの部長であり、穏やかな性格とその腕の良さから、患者さんにもスタッフにも慕われていた。
白「田所先生……」
恵は、嬉しそうに彼の名前を呟く。
フェロー時代、恩師である黒田先生の人生と、自分の人生。
その両方を狂わせる事故の原因となった彼女を救ったひと達の中には、もちろん田所先生も含まれている。
きっと、恵にとってはおおきな存在だろう。
藤「“島に医者がひとりしかいないので、残念ながら結婚式には行けません。予定通り式をやっていただければ、代わりの先生も頼んであったので、出席できたのですが…”」
そこでいったん藤川は大げさに顔を歪めた。
藤「あれ、田所先生怒ってるのかな」
わざとらしく肩をすくめた彼に、あちこちで笑いが起こる。
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らむれもん - ちーさん» たくさんコメントありがとうございます（＞＜）本当に感謝です〜〜！！ (2019年3月10日 11時) (
レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - こちらこそ拝見させていただきます！よろしくお願いします( ´∀｀) (2019年3月10日 0時) (レス) id: cd2b62e1d4 (このIDを非表示/違反報告)
らむれもん - ちーさん» ありがとうございます！いろいろな意味で！続編もぜひ見て頂けると嬉しいです(^^*)これからもよろしくお願いします！！ (2019年3月9日 21時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - 謝らないでください！SNSは色々あるので大変ですから、、 お話変わりますが、完結おめでとうございます！そしてお疲れさまでした！ (2019年3月6日 21時) (レス) id: cd2b62e1d4 (このIDを非表示/違反報告)
らむれもん - ちーさん» すみません…(´;ω;｀)現在やるか検討中です(笑)せっかく同じ好みの方がいらっしゃったのに、残念です… (2019年3月3日 10時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむれもん | 作成日時：2019年1月1日 22時
