君に救われ恋をした2【怪病医ラムネ】

41話 ページ7

スイ｢…きゃあぁぁあ！！｣

スイの叫び声で放心状態のAが我に返った

『お、お母さん...！？』

私は慌てながら母がいるであろう場所へ向かう

そこには髪、ではなく糸が何百本も抜け落ち、真っ青な顔で座り込んでいるスイがいた


スイ｢な、なによ……なによこれ！！


あの金髪…！！｣


真っ青だった顔が徐々に真っ赤になって行く

目までも赤く充血している


スイは貯金箱を持って外へ飛び出した

これまでに見たことの無い表情で


そこで気がつく




《ラムネたちが危ない》




神社の方へ向かおうと玄関の方へ走る

だが、走ろうとする足は動かない



危ない...？

当たり前じゃん

詐欺一家に手だして...



それから


ふと、クロを止めるラムネがフラッシュバックした


私のことも裏切った


ぎゅっ…と胸のあたりが締め付けられた気がした



大好きな彼に、ラムネに裏切られて


クロもクロだよ

止められたからって本当は助けて欲しかったな



もう嫌いになってもいいくらい

縁を切って楽になりたい

考えると、苦しくなるから




だけど






｢大人を頼れ｣




嫌われていようとも
裏切られようとも


何て思われていようとも




クロはたった1人の大切な友達で

ラムネは









＿＿＿＿＿＿私の初めてできた大好きな人



私は動かなかった足に力をいれ
学校で習った"逃げるコツ"を使いながらあの神社へと向かった

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