君に救われ恋をした2【怪病医ラムネ】

37話 ページ3

ラムネ｢蘭奈...って

まさか｣


やめて、気づかないで

もちろん、ドラマの主人公でも無い限りそんな思いは届かない



スイ｢あら？知ってるの？
まあそりゃそうよね
私の母が最近テレビに出てたもの

お察しの通り、私達は詐欺一家の蘭奈家よ

母はAが出ていく2週間前に逮捕されてるわ｣


『ぇ』


祖母が詐欺で捕まった事は耳にしていた

だが私の母、スイは｢詐欺一家｣と言った

そんなの初めて知った...

私もいつか誰かを騙して生きていかないといけない

そんなの嫌だよ...


考え込む私を他所に

多少イラつきを覚えながらスイは言う


スイ｢そんなことより、早く治しなさいよ｣


ラムネは少し考え込み、口を開いた


ラムネ｢気分は乗らねぇが、客は客だ

上がれ｣


どこか低い声で言った


クロ｢...Aどこかで休む？｣


心配してくれているクロに対し、いつものように笑うことが出来ない


ただ、


『大丈夫』


としか返すことが出来なかった









ラムネ｢怪病はストレスからなる

なにか思い当たることは？｣


そういうと、スイは｢あぁ、多分あれね｣と話し始めた


スイ｢Aも聞いておきなさい

私、夫のカシアに浮気されてたの
あの人、毎日他の女と遊んでたのよ

信じられる？

私だけを愛すって言ったくせに｣


足を組んだ状態で話し出す


スイ｢元から愛情はなかったらしいの
でも離婚はしたくないですって
彼曰くバツイチになりたくないだとか

そりゃストレスもたまるわね

初めて褒めてくれたこの髪も、糸になってしまった
あの人のせいだと思うと今でもため息が出てくるわ｣

スイは息を吐いた

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