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声の先に行ってみると、一人の男の子がいた
その子は2年生の制服を着ていて、学生であることは一目瞭然だ
青い髪の毛、癖の強いアホ毛
認識疎外の眼鏡をかけたその子が
なにやら小さな植物をもって慌てている様子が見えた
(手に持ってるあれは…小雷草?)
小雷草とは、文字通り小さい雷のような電気を周囲に放ち
その刺激で小さな昆虫などを仕留めて食べる植物である
小さい雷といっても、基本は静電気程度で、
悪魔にとっては何の害もないもの…
なハズなんだけども、、
(なんであんなに雷強くなってるの!?)
『あぶないっ!!!』
「うわわわわ!!!」
見るからにより強くなっていく小雷草をその子から取り上げる
強くなっている電気に多少の痛みを感じつつも
なんとかせねばとその草を魔術で燃やした
本当はあんまり植物を燃やすなんてことしたくないけれど、
この場合は生徒に危険が及ぶ可能性があったため、仕方がない
(にしても、なんでこんなことに?
あっ、この子が何かしたとか…!?)
急いで振り返って草を持っていたその少年に目を向ける
その子はびくっと驚き私を凝視している
認識疎外をしていたことと、さっきまで慌てていたこともあり
ここでようやく彼の顔をしっかりとみる
(え、この子は、、!)
そして、気づく
彼の正体に
その幼いながらに存在感をしっかりと放つこの子は、
あの
入間君じゃないか、、、、!!!!!
数々の問題を起こし、解決し、
いつも教師の予想の遥か上をいくというあの、、
(…はっ!ということはまさか、
今回もなにか企んでこうなったのか!?)
正直直接かかわったことがまだなかったためよく知らないが、
"あのカルエゴ先生をいつも困惑させて遊んでいる"と聞いたことがある
またとんでもないことを企んでいたに違いない、、
ダリ先生から聞いた情報だから、ほんとかどうか疑わしいけれど
とにかく事情を聴いて、危ないことをやっていたなら怒らなきゃ、と
口を開こうとした
イ「だっだだ大丈夫ですか!?手、ケガして!?!?」
『…っえ、手?あ、いや、特に大丈夫だけど…』
私が話すより先に入間君が慌てたように私の手をつかむ
シンプルに小雷草の電気を素手でつかんだ私のことを心配しているようだ
なんだ、とっても良い子じゃんか
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作者名:らむねるねるね | 作成日時:2023年1月25日 22時