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嘘と心当たり ページ16

わかりやすく反応した入間君



彼に心当たりがあるのは間違いない


だが、なぜそれを隠そうとしているのか




(言えないってことは…、本当に何か悪いことを?

それとも、、)




わかりやすく目が泳いでわなわなと彼のアホ毛が揺れている


私はそんな彼の頭にゆっくりと手を近づけた



彼の頭に触れた瞬間、びくっと彼は反応する


が、特に逃げようとする様子はなかったので


そのまま彼の頭をわしゃわしゃに撫でくりまわした




『、大丈夫。怖くないよ。

先生は、何があったか知りたいだけなんだ。』




頭をわしゃわしゃにされて困惑する入間君に優しく言う


もしかしたら、まだあって間もないし


信用されていないのかもしれない、と


緊張しいな彼の様子を見て、そう思ったのだ





『生徒を守るのが私の勤め、

何があったか、先生に教えてくれないかな?』





微笑みながら彼にそう語りかける


彼は私のことを見て、すこし落ち着いたように顔を緩ませた




イ「っ、えっと、どこから話せばいいのか、、」


『ははっ、うん、ゆっくりでいいよ。

…まずはそうだなぁ、なんでこんな人気のない場所に?』


イ「あ、それは、花壇の手入れのお手伝いをしてて!」


『…お手伝い、を?』




予想だにしていなかった回答に、内心あっけにとられる


悪魔が、お手伝いなんてするんだ、と


驚きで私は目を見開いた





『、えと、職員さんのお手伝いで、あの小雷草を、、、?』


イ「はい!あ、もらった時は暴れてなかったんです!

けど、僕の不注意で、草の部分で指を切っちゃいまして、、」


『…うん、それでそれで?』


イ「…それで、その、"よくわからないんですけど"、

急に雷が強くなってしまって、、」




(、、、うーん、"そこ"だけ嘘なんだなぁ)




よくわからない、といった彼だが、原因は分かっているようだ



ただそれ以外に嘘はついている様子はない



用務員さんのお手伝いも嘘じゃない

ここにいた理由も嘘じゃない

草を持っていた理由も嘘じゃない



(ならなぜ、"それ"だけは嘘をつくのか)



頑な嘘のつき方をする彼に、若干の不信感も抱く


でもお手伝いをするような彼が悪いことをするようには思えなくて


不思議な感情で彼を見る



彼はすこし落ち込んでいるような、寂しそうな


まるで、ごめんなさいと言っているような


そんな表情で私を見る




私はその表情を見てなぜか、

罪悪感を抱く今の自分と、重ねてしまった

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作者名:らむねるねるね | 作成日時:2023年1月25日 22時

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