神代先輩に落とされた(物理) (ページ6)

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禁忌はサボり魔ページ6

ばっ、と振り返ると、綺麗な琥珀色の瞳と目が合った。

変人ワンツーフィニッシュのもう1人の片割れ、天馬司がいた。

『…司』

何を隠そう、司は幼稚園からの仲。小学校こそ離れたけど、中学からまた再会した。世間一般的に言えば、幼馴染と言うやつだろう。

「A、どうしたんだ？俺はただただ心配だぞ…？」

『心配しなくて平気。もう私のことは気にかけなくていいから』

「気に掛けるな、なんて、無理に決まってるだろう？…とっ、取り敢えずッ！二瀬A！お前を先輩であるオレ“達”が必ず笑顔にしてみせるッ！！」

『…できるといいですね』

どこにいても無駄だ、そう思い私は何となくで図書室へと立ち寄った。今は授業時間なので無人だ。仮に廊下に人が通ったとて、本棚が沢山あるので死角は沢山ある。

別にバレても常習犯の私は「出席数と授業数、危ねぇぞ」と軽く言われるだけで済む。さすが義務教育という名の枷がない高校。

『言うてもうほとんど読んだのばっか…おもんな』

読んでない本を探すのに一苦労。そうこうしていると三時限目が終わろうとしていた。そろそろ教室行くか。と1階へおりた。

何事も無かったかのように準備をする私を見て、クラスの奴等は一瞬淀んだが、数秒後、何事も無かったかのように振る舞い始めた。…勿論、いつでも私は独りぼっち。

それでいい。それがいい。

参考書の今日の範囲を軽く目を通し、こっくりこっくりうたた寝を始めた。

気付けば、4時限目も終わっていた。

昼休みだ。購買部に並ぶか、スマホを触ってやり過ごすか。先程からお腹がなっているので、調理パンを、持つかは分からないが、明日の朝の分として、ひとつ、今食べるようにひとつ購入した。

神代先輩には会いたくないので、教室でサッと食べ、いつものようにスケッチブックを広げた。

その後は寝て過ごしたため、ほとんど記憶が無い。

♪……………♪

ホームルームを終え、逃げるように帰宅した。そういえば、と思い出したように冷蔵庫を漁ると、案の定、殆ど空っぽだった。

着替えてホームセンターへと自転車のペダルを踏んだ。いい加減サビだらけのこの自転車ともおさらばしたいものだ。

芳香剤と消毒と洗剤等、諸々切らしていた生活必需品を購入し、食品を買いにスーパーへと走った。

♪………………♪

『よっ…と』

買い物袋をカゴに乗せ、重いペダルを漕ぐ。

すると、音もなく唐突に2m近くの人影が目前に現れた。