神代先輩に落とされた(物理) (ページ3)

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禁忌は図書委員ページ3

「ここはテストに出るからね、ちゃんとメモしておいてよー」

現在は6限目。大嫌いな数学で、落ちてきそうな瞼と睡魔と格闘するので精一杯だった。

いつもなら遠慮なくお昼寝の時間だったのだが、課題提出を怠りすぎた故に、単位が危ない。

入学一年目にして赤点と留年だけは避けたい。ギリギリラインでいいから進級せねば。

時計をちらっと見やると、間もなく授業終了時刻を指すところだった。

♪…………………♪

Rui side

帰りのホームルームを終え、寧々を迎えついでに彼女の姿がないかを見に行った。何しに来たかと言われても寧々を迎えに来た、と言い逃れはできる。

がやがやとした廊下の中、彼女になぜ僕が興味を本能的に示しているのか、考えを巡らせていた。

「類？」

いつの間に居たのか、寧々が呆れ顔でこちらを見ていた。

「ん、ああ、済まないね。少し考え事を…」

「類、顔赤い。」

「えっ」

唐突な赤面を指摘され、さらに顔に熱が集まっていくのがわかった。そんなつもりはなかったが、実は顔に出やすいタイプなのかもしれない。

「さ、さて、帰ろうか!!」

若干上擦った声で、叫ぶ勢いでその場繋ぎにセリフを吐き捨て、図星なのを悟られないように、寧々の数歩前を歩く。

きっと彼女は察しているからか、わざわざ隣を歩こうとはしてこなかった。

「類まで司みたいになってどうするの…」たった一言そうつぶやくように行ったあと、小さく息を吐いた。

♪…………………♪
You side

ホームルーム終了後。荷物をまとめ、図書室へと向かった。

一瞬粘着質な屋上の先輩を見掛けた気がしたが、気にしない。

『はぁ？誰も居ないじゃん』

古い紙と埃の匂いが漂う図書室は、嫌いではない。

図書委員の中で一番に到着したのは私らしい。

一人で整理を始めるというのも無理な話なので、大人しく棚を漁って本を読むことにした。

『学問のすゝめ…こんなの読む人いるのかな…あ、それにしとこ』

無難な本を手にし、席に戻ってよみだす。

まもなくして、足音がした。ガラッ、という乾いた音と共に姿を現したのは、先程会った青柳くんだった。

「来てたのか」

『なんか文句ある？』

少々キツめに睨み、再び視線を本に戻す。彼は黙って私の隣に座った。どうやら、ただ私を見つめているだけらしい。気まづい。

『何』

「目。綺麗だな」

悪びれる様子もなくそういった彼。目つきは悪いとよく言われるが、目が綺麗なんて言われたこと無かった。

悪い気はしなかった。