The Boy Born With Everything【轟焦凍】 (ページ45)

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45 雨と涙ページ45

「離して…！触らないで…！」

「あはは、Aちゃんみたいな女の子、俺大好きなんだよね～」

早川君は私の手を左手でにぎにぎと触り右手で私の腰を掴んだ。

「体育祭見たよ～爆豪と戦って気絶してたね。凄い可愛かった、さぞかし悔しかったね」

早川君は私の肩に顎を乗せ耳元で喋り始めた。

「でも俺が慰めてあげる」

そう言うと彼は私の耳元に手を添え唇を近付ける。

もうだめだ…。

思い返せば焦凍に触られた時はドキドキしたけど別に嫌では無かった。

そうか私、焦凍が好きだったんだ。

抵抗を辞めて諦めようとしたその時。

ドカン！と鈍い轟音が響いた。

驚き目を見開いた瞬間にはもう身体が動けるようになっていて、足元には鼻血を出した早川君が倒れていて、私は誰かに手を引かれて走り出していた。

「焦凍……！」

焦凍は何も言わなかった。

私は引かれていた手を握り返した。

学校を出ても走り続けた。

わけも分からなくただひたすらに走っていると来た事の無い道に出てしまった。

道中は雨が降り出しもう顔についている雫は雨なのか涙なのかも分からなかった。