The Boy Born With Everything【轟焦凍】 (ページ24)

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24 USJ Ⅲ ページ24

「いてっ！」

モヤから乱雑に落とされ腰を強打する。

私と焦凍が落とされた所は土砂ゾーンのようだった。

「おい大じょう…」

「オラァ！！」

「っ…！」

後ろからヴィランが襲いかかるも、焦凍は咄嗟に身を翻しヴィランの足元を凍らした。

しかしヴィランの攻撃の1つが焦凍の頬をかすめ僅かに血が垂れた。

「焦凍…！血が……」

「問題ねえ、俺の心配はするな」

「人の心配するたあ…随分余裕だねえ…！！」

「土の下から…？！」

「クソっ！」

地面からヴィランの奇襲を受けるも焦凍が氷で攻撃を防いだ。

私──何も出来てない…。

私を守ろうとする大きな背中、でも、私だってヒーローになりたくてここに、この学校にいるのに…。

「ここにいるのは殆どチンピラみてえなもんだな、見た限りじゃ本当に危なそうな人間は4、5人程だった」

焦凍がジリジリと凍らせたヴィランに近付いて行く。

「なあ、このままじゃあんたら──じわじわと体が壊死していくわけなんだが」

「うう…。」

「ぐっ…！」

屈強そうなヴィラン達が目に涙を浮かべてうめいた。

「俺もヒーロー志望そんなひでえ事はなるべく避けたい──」

焦凍はヴィランの顔に手を当て冷気を放出する。

「あのオールマイトをやれるっつう根拠は、策って何だ？」

自分に向けられた殺意では無いと分かっていても怖いと感じてしまった。

私は何も出来ず、何も言えず、ただそこに呆然と突っ立っていることしか出来ずにいた。