The Boy Born With Everything【轟焦凍】 (ページ3)

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3 私の幼馴染ページ3

轟焦凍、No.2ヒーローエンデヴァーの息子であり、私の幼馴染みだ。

彼は個性婚によって生まれた。

全てを持って生まれた男の子。字面だけ見たら羨む者もいるかもしれない。

だが、

彼自身はその境遇に悩んでいた。

まだ小学校にも通う前の頃、焦凍が泣きじゃくりながら私の家に逃げ込んで来たことがある。

ただただ泣きながら彼は「おとうさんがいじめる」と言っていた。

当時の私は焦凍のお父さんは強くてかっこよくて羨ましい、うちのお父さんもあんな風に強かったらとしか思っていなかった。

いじめる、という言葉も当時の私からしたらヒーローごっこでもしてるのかとしか捉えることが出来なかった。

「じゃあAが守ってあげる！しょーとよりずっ～と強くなって、Aのサイドキックにしてあげるよ！」

「ほんと……？！」

嘘だ。

私は焦凍を守ってなんてあげられなかった。
私は焦凍より強くなんてなれなかった。
私は焦凍を救えなかった。

思えば焦凍の一番の笑顔なんて、あの時私が守ると言った時以来見ていない。

小学校高学年の時に焦凍本人から自分は個性婚によって生まれたことを告げられた。

何となく分かっていた。

歳を重ねるごとに私は焦凍をあの時騙してしまったと自責の念に苛まれ、話しかける回数も減っていった。

それと彼の目を見張るような強い個性に日々劣等感を感じていた。