The Boy Born With Everything【轟焦凍】 (ページ1)

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私の家系は代々1つの強力な個性を引き継ぎ、ヒーローして名を馳せていた。

その個性は超能力と呼ばれた。

・

「コルァ！いい加減起きろォ！！」

朝っぱらから家中に怒号を響き渡らせているのは私の爺ちゃんである。

「あと5分………。」

「フッ、ここまで頑なに起きないと言うのならこれをお見舞いしてやろう。───食らえっ！ジジイチョップッッ！！ギャアアアアア！！」

「うるさいよ…ってああーー！！」

私は毎朝かましてくるジジイチョップにうんざりし、ついに爺ちゃんに対して超能力を使ってしまった。

効果はてきめんのようだった…。

朝から壮絶な決闘を繰り広げていると部屋の襖が開かれ、また人が入ってきた。

「もー、早く起きなさい…ってAおじいちゃんに個性使った？！ダメだよ…殴る蹴るならまだしも…。」

「父さん……。おはよう、てか殴る蹴るなら良いんかい。」

「おはよう、早く顔洗って朝ご飯食べなさい。」

「泰造さん！こやつを余り甘やかしてはいけませんぞ…。」

「まあまあ、お義父さん。この子もまだ中学生なんだし…。」

「"もう"中学生ですぞ…！こやつには雄英を卒業し、この家を継いでもらわねば困る。少しは轟のとこを見習え。」

・

「はあ……。」

大きなため息を付いてから戸をぴしゃりと閉じる。

雄英高校、平和の象徴オールマイト並びにNo.2ヒーローエンデヴァーを筆頭に多数のスーパーヒーローを排出した実績とネームバリューで、ヒーローを目指す日本全国の中学生の憧れの的となっている名門中の名門…。

私の家族はヒーロー一家だ。
何度も家族の勇姿を見てきた私に、ヒーローに憧れないなんて事は有り得ない。

だが…荷が重い。その一言に尽きる。

(補足)
お父さん→明保能泰造
爺ちゃん→明保能茂

お父さんがお母さんに婿入りした設定です。