哀の花言葉【文スト】 (ページ1)

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儚い恋《太宰治》ページ1

其の日は夏の暑さが何時もよりも増していた。だがそんな事も忘れて私はとある"約束"を楽しみにしていた

『太宰～～～！』
約束を交わした彼女の声が夏の暑さと共に響いた

太宰「遅いじゃないですか！30分も待ってますよ！」と私が怒った訳でもないのにも関わらず彼女は
『ごめんって～～！』
と両手を合わせて言った。正直こういうかわいらしい所が憎めないのだ

太宰「今日はデートでしょう？Aちゃんは何したい？」
『ふふっ其れもそうだね～！今日はデートだし公園に行きたいなぁ！』
太宰「こんな暑い日にですか？」と言いながらも彼女と公園へと歩く...

『ふぅ...ついたぁ！』
公園に着き彼女は嬉しそうにはしゃいでいる、

太宰「そんなにはしゃいだら迷惑になりますよ？」
そっと注意すると
『！...そうだよね気をつけなきゃ！』
と次はあわあわと恥ずかしそうにしている。

其のくるくると変わる表情に思わず見とれてしまう、顔に見つめていると
『太宰...？どうしたの？』
と聞かれてしまったので
「なんでもないですよ♪」と誤魔化した。

そしてまた一寸前の話がなかったかのようにはしゃぎだした。

其の彼女のはしゃいでいる姿を目の隅に入れ公園を見渡すと自然が多く沢山の花が咲いていてとても綺麗だった。其の中でも私の目に付いた花があった。

太宰「此の花は...」
『朝顔でしょ？』
と得意げに彼女は身を乗り出してきた

太宰「とても綺麗に咲いているね...」
『うん...綺麗.....』
綺麗な朝顔に彼女も見とれていた、そして私は良い事を思い付いた

太宰「Aちゃん。此れ、」と植えられている朝顔を一寸もらって彼女の耳に掛けた。其の姿の彼女はどんな花よりも綺麗と思えた。

『...えへへ//一寸照れるなぁ//』と彼女は顔を紅くしながら言った。

『太宰はね...、絶対良い女の人に出会うよ！こんな素敵贈り物をくれるなんて！どんな人か楽しみだなぁ...！』
彼女は無邪気に笑った何も知らない純粋な心で

だが私は彼女...否、Aが好きなのだ、

太宰「A」私は無意識で声を掛けていた
『...？』
急に呼び捨てで呼ばれ、戸惑っているのかおどおどとしている。
太宰「.......なんでもない」と私はまた誤魔化した

彼女は此の花の花言葉を知っているのか、
それとも、もう解っているのか、
どっちにせよ私の想いは叶わない、

朝顔の花言葉は...私の想いは............儚い恋。