20話 ページ20
二日後。
応接室には、私やなかむ、そして幹部が待機していた。
中継も上手くいき、今頃国民たちが城の前に用意された大型のモニターや家にある諸々の通信機器で見ていると思う。
「さて…」
荷物検査を終えた両親が、部屋の前に着いたと知らせが入る。
「……始めようか」
なかむの合図で、扉が開かれた。
現れた両親は怪しく笑い、しかし優雅にお辞儀する。
「こちらの要望通り招いていただき感謝いたします、なかむ王子殿下」
「ようこそ白尾国へ。今回はきちんと正面から入城してくださりありがたい限りです、ジェンティー王国国王陛下ならびに王妃殿下」
笑顔のままさらりと皮肉を飛ばすなかむ。
「さて、要件は何でしょうか」
きんときが聞く。
「国民の皆様に、ぜひ今回の戦争の理由を知っていただこうと思いましてね。公表されていないようですから」
お父様が目を細めた。
「白尾国国民の皆様、ご清聴ください。今回の戦争は、我が娘を取り返すために起きたのです。あなた方の君主、なかむ王子が、Aを手放さないのですよ」
「まだ正式に婚約の儀式は行われていないのでしょう？それなら、娘は私たちのものですよねぇ。私たちが望めば大人しく返すのが当然」
「…僕だけの意思じゃない。Aもここにいたいと願っている」
低く言うなかむに、お父様は薄く笑う。
「しかし、たった一人の人間の為に国民を危険に晒すというのは果たしてどうなんでしょうか？さっさと娘をこちらに返せば良い話なのに」
「それは貴方たちも同じだ。今回の戦争はそもそも、ジェンティー王国からの宣戦布告だった」
「しかし、国民は不満を抱くでしょう。君主が恋愛なんかにうつつを抜かして、自分たちの安全のことを考えていないと」
お父様がそう言うと共に、外が騒がしくなっていることに気づく。
ぶるーくが窓を開けると、暴動が起きかけていた。
これが、お父様とお母様の狙い。
国民の怒りを見て、なかむが私を諦めるか、私が場を治めるために自主的に帰ってくるか…そういう展開を望んでる。
「まずいな」
きりやんがぼそっと呟く。
相当気が荒だっているのか、武器を持った国民も中にはいて…
「っは、どうだ見たか」
お父様とお母様が勝ち誇ったように笑って、猫撫で声で私に手を伸ばす。
「さぁおいで」
『……お父様、お母様』
ついに、私は両親と対峙した。
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黒灰白有無％(プロフ) - 完結おめでとうございます!夢主ちゃんも最強w最強同士、可愛い同士お幸せに〜、溺愛具合も好きです笑、本当に大好きな作品、作者様なので最後まで見れて嬉しいです‼︎本当にお疲れ様でした〜！ (2023年1月22日 2時) (
レス) @page47 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 勘違いして辿々しい説明をする流れがとても好き…！！もちろん今までのお話も大好きです！ (2023年1月9日 16時) (レス) @page41 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
詩舞(プロフ) - 初コメ失礼します！スパイから見させてもらってました！文才ありすぎて尊敬します！今はリクエストありませんが、もしあったらその時またお願いします🙂 (2023年1月6日 17時) (レス) @page36 id: b0ae3107b7 (このIDを非表示/違反報告)
萌木(プロフ) - 関係全くないけど話選ぶとこでタイトルの下にアニメイトの広告出てきて且つそこにあった画像が文藝白尾だったっていうね...。 (2023年1月6日 10時) (レス) @page36 id: e13a9a1264 (このIDを非表示/違反報告)
らむね☆(プロフ) - 葡萄ゼリーさん» 覚えてますよ〜🤗スパイが完結したときにコメントくださってましたよね！番外編集の方にリクエストのお話を書いてきたので、ぜひ！ (2023年1月5日 11時) (レス) id: d37cd4c15f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年11月19日 16時
