18話 ページ18
ジェンティー王国は、私が作ったバリアのおかげで白尾国に上手く攻め入ることができず、苦戦しているらしい。
私はといえば、城の中で散歩中。みんなは仕事をしている。
私も何か手伝えないかと思ったけど、ここに来てたくさんのことを知れたとはいえ、まだまだ世間知らず。手伝いは難しそうだった。
小声で歌いながら中庭を歩く。薔薇の花が咲き誇っていて、綺麗だ。
「…見て、A王女だわ」
突然したそんな声に、立ち止まる。
その方向に目を向けると、嫌そうな顔をしたメイドや一般兵が渡り廊下から私を見ていた。
「敵国の王女なのに…何故追い出されないのかしら」
「さぁ…まさかとは思うけど、弱みでも握られて脅されているのでは？」
「なかむ様でさえ逆らえないような悪女に違いないさ」
ひそひそと聞こえる会話に、ため息を吐く。
『……結局いつまでも、私はここに相応しくない…』
せっかく、少しは役に立てると思えるようになったのに。
両親が私に与える悪影響は、こんなところにまで及んでしまうの…？
そう、だよね。ジェンティー王国は、今敵国。そんなところの王女に平然と国に居られて、良い気はしないよね。
仕方がないことだと分かっていても、気分は沈んでしまう。
俯いたとき、凛とした声が聞こえた。
「ねぇ、君たち。どこの誰が悪女だって？」
振り返ると、渡り廊下でメイドや一般兵たちを怒気を孕んだ瞳で睨んでいるなかむがいた。
「ッ！な、なかむ様、」
たじろぐ彼女たち。固まって動けない私のところに堂々と歩いてきたなかむは、私を連れて彼女たちの前に戻る。
『ごめん、なさい。私のせいでなかむの評判まで…』
「ううん。Aのせいじゃない」
声を震わせて謝ると、真っ直ぐに目を合わせて、はっきりと伝えてくれた。
「…お、恐れながらなかむ王子。A殿下は敵国の王女です。今回の戦争の死傷者がまだ少ないとはいえ、A殿下はここには相応しくないのでは」
一般兵たちがそう訴える。
なかむは私の肩を抱いて、口を開く。
「相応しくないか相応しいかは、僕が決める。僕が惚れ込んだ人だ。僕が、Aを選んだんだ。…悪く言うのは許さない」
『…なかむ』
…あぁ、いつだってなかむは、私を守ってくれる。
『いつも…ありがとう』
なかむは幸せそうに微笑んで私の手を引いた。
「行こうか、俺のお姫様」
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黒灰白有無％(プロフ) - 完結おめでとうございます!夢主ちゃんも最強w最強同士、可愛い同士お幸せに〜、溺愛具合も好きです笑、本当に大好きな作品、作者様なので最後まで見れて嬉しいです‼︎本当にお疲れ様でした〜！ (2023年1月22日 2時) (
レス) @page47 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 勘違いして辿々しい説明をする流れがとても好き…！！もちろん今までのお話も大好きです！ (2023年1月9日 16時) (レス) @page41 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
詩舞(プロフ) - 初コメ失礼します！スパイから見させてもらってました！文才ありすぎて尊敬します！今はリクエストありませんが、もしあったらその時またお願いします🙂 (2023年1月6日 17時) (レス) @page36 id: b0ae3107b7 (このIDを非表示/違反報告)
萌木(プロフ) - 関係全くないけど話選ぶとこでタイトルの下にアニメイトの広告出てきて且つそこにあった画像が文藝白尾だったっていうね...。 (2023年1月6日 10時) (レス) @page36 id: e13a9a1264 (このIDを非表示/違反報告)
らむね☆(プロフ) - 葡萄ゼリーさん» 覚えてますよ〜🤗スパイが完結したときにコメントくださってましたよね！番外編集の方にリクエストのお話を書いてきたので、ぜひ！ (2023年1月5日 11時) (レス) id: d37cd4c15f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年11月19日 16時
