【wrwrd】無能に現実は厳しいようで【軍パロ】

甘くないね13 ページ14

『………………ごっ、ごめんなさい……』




ポロリと零れ出した言葉は

ありえないくらい弱々しくて




ut｢あーあ ほんまにアリスちゃんが可哀想やわぁ｣




大声でつぶやく彼の言葉は槍のように

太くて大きくて鋭くて

心が痛い痛いと泣き叫んでいるのに

容赦なく傷つけてくる




ut｢アリスちゃんは可愛ええし運動できるし頭もええ

そりゃ憧れるわな 幹部最弱ちゃんなら

でもな気づいた方がええで









たとえ憧れたところで無能は有能になれないんだよ




ねぇ？無能ちゃん｣




鬱さんが怒りを混じえた声を出し

思わず猫のようにビクリと肩を揺らす

いつもへらへらしている彼が

こんな声を出すなんて

恐怖に苛まれ彼の顔を見るなんてことは出来ない

まず顔を上げることが出来ない



無能という言葉には

あまり傷つかなかった

毎日自分のことを無能と罵っていたから

慣れてしまったみたいだ




ht｢っ！！さすがにそんな言い方は！！｣

『………………いいんです……僕が無能なのがいけないんですから…………』

ht｢でもっ！！｣

『………………ごめんなさい……』




ひとらんらんさんが庇おうとしてくれたところを止める

彼までハブられてしまったら

僕のせいだと自分を責めて

腕を切りかねないと思ったから

彼は有能だからハブられるなんてことは無いだろうけど



ひとらんらんさんは悔しそうに俯けば

それ以降言葉を発することはなかった





心が痛い







体に力が入らない







ごめんなさい







無能でごめんなさい

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