お昼ごはん ページ40
なんやかんやでお菓子作りにも一区切りが付き、ホッと息をついた。
久しぶりだったけど、今のところは驚くほどに順調である。楽しい。
昼ごはんは何を作ろうかなぁなんて考えながら、シンクに溜まったボウルやらなんやらを洗っていく。
あ、そういえばそろそろセンラくんのコーヒーもなくなったかな
サッと濡れた手を拭き、新しいマグカップを取り出すと慣れた手付きでコーヒーを作っていく。いくら彼女とは言えど、無糖からの味調整は日によって変わるものだから完璧に作ることはできない。
小さいトレーにコーヒーと砂糖とミルクと色々と置き、リビングを出ると防音室へ向かう。
コンコンコン。3回ノックをすると、すぐに開かれる扉
「どした？」
「お疲れ様でぇす。空になったマグカップ回収しに来ました」
「えぇありがとぉ！！新しいのも作ってきてくれとるやんすご」
私の手元のトレーを見るなり笑顔を通り越して笑いを溢すセンラくん。その顔を見れば自然と私の表情も柔らかくなる。
「まだこれから昼ごはん作るから、時間かかるしなぁと」
「そかそか。あ、いや一緒に作るか」
「あぁーそれは良いよ。うん。センラくんも仕事中でしょ？」
「いやまぁ一区切り付いたし休憩しよかなぁ思ってたし。作ろ」
スパダリセンラくん。今はそのスパダリ味を発揮されたらちょっと困ることしかない。てか全く引き下がらない何この人。好き。
「いや、ね、私一人で作りたい気分。うん。センラくんも休憩しようと思ってたならゆっくり休憩しときな？？？ね？？？」
「いやでも」
「じゃあね。ゆっくりどうぞ！！！」
センラくんと話し出せば、止まるものも止まらない。ボロをこぼすと行けないと思い、半ば無理やり話を切り部屋を出た。
「あ、昼ごはん何食べたいか聞けば良かった。
ま、いっか」
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作者名：カエデ | 作成日時：2023年9月17日 9時
