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買い物を終わらせるとすぐに家に向かった。


置き手紙も何も変わっていないから、まぁセンラくんは特に何も気付いていないのだろう。そちらのほうが好都合ではあるし、どこかホッとした自分が居た。


プレゼントした時のセンラくんの顔を思い浮かべていれば、買い物中も上がりきった気分が覚めることはなかった。途中、関係のないものも買ってしまったような気はするが、まぁそこは目を瞑ろう。


壁に掛かっているセンラくんがいつも使っているエプロンを身に着け、スマホからランダムにソロ曲を流し、手を綺麗に洗うと早速料理に取り掛かった。



「お菓子作りとか高校生ぶりだなぁ………笑」



昔は友達と集まってお菓子を作り、お互い当時付き合っていた彼氏によくプレゼントをしていたものだ。今でこそ関わりはもう無いが、受け取ってくれた時の笑顔を思い出すと今でも頬が綻ぶ。


センラくんもあんな表情してくれるかなぁ…………



優秀な料理サイトくんのお陰でなんとなくでも調理状況はとても順調。このままセンラくんが途中乱入してくることがなければ最高だ。


生地ができてくると、次は焼いて冷やすのみ。そして今はまだ昼前。焼いて冷蔵庫に入れておいて、その間に昼ごはんを作って食べて、そしたら午後のおやつ感覚で丁度午後3時には食べられるだろう。


完璧過ぎる。


頬が攣りそうなほどの笑みを浮かべながら作る私はきっと最高に気持ち悪いだろう。が、まぁ誰も見てないし気にすることでもない。


お菓子を食べて嬉しそうな顔を浮かべるセンラくんを思うと、なんとも待ち切れない気持ちになる。溢れ出るワクワク感を表に溢さないようにグッと堪えながら、準備を続けた。

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作者名:カエデ | 作成日時:2023年9月17日 9時

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