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「へぇぇ楽しそうやねぇ。俺も混ぜてぇや」
相当焦っていたんだと思う。怒りも籠もっていた為、力の加減ができずに半ば強引にAを男から引き寄せた。
ふたりとも戸惑っているようで、Aに関してはアホみたいな呂律の回らない喋り方で俺の名前を呼ぶ。
「え、な、あ、貴方誰ですか。邪魔しないで頂けますか……」
「誰って、こいつの彼氏やけど」
そう行った途端に体に預かる体重が重くなった気がした。やはり先程男が入れたのは睡眠薬だったようで、Aは目をつぶって動かなくなってしまった。
「おい、その汚い手ぇ離せや。Aが汚れるやろ」
「……っっい、いや」
「なんや文句あんのか」
彼氏や言ってんのに手を離そうとしない男。次第にイライラは大きくなっていって、断ろうとする男に被せて威圧した。
「えぇからさっさと手ぇ離せや。Aは俺のもんや。てめぇのとちゃうぞ。その上俺の大事なAに変なもん飲ませやがってクソが。
二度と俺らの前に現れんな。さっさと帰れ。失せろ」
そういうと、グッと歯を食いしばり店を出ていく男。
ここまでイライラするのは久々だ。伝票を見てさっと会計を済ませると、Aを抱きかかえ店を出た。
「センラさん……大丈夫だったですか…？」
「まぁな……でも、ごめんな今日はもう帰るわ」
「ですよねw。良いですよ！」
「ほんまにごめんな」
「謝んないでくださいって！王子様オーラ出まくってるセンラさん見れましたし！気を付けて帰ってくださいね！！」
ずっと店の外で待ってくれていたにも関わらず、優しく声をかけてくれるsum。今度何か奢ると心のなかで叫びながら、帰路へ向かった。
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作者名：カエデ | 作成日時：2023年9月17日 9時
