【usss】優しくて頑張り屋さんな君は【snr】 (ページ4)

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ずるい彼女ページ4

彼女がずるい

それは最近の僕を悩ませる最大の種

いつもクソデカ特大爆弾を投下して、こっちが呆然としている間にはもう視界から居なくなっている

ほら、今も

「センラくん？どうした？」

いつの間にか風呂からあがり、服も着替え終わっているA。濡れた髪を肩にかかったバスタオルで拭きながら未だ風呂場に居る僕を脱衣所から覗き込んでいる

「あ、ごめん。なんもない」

「そっか」

軽く返事をすれば、そのままリビングへと脱衣所を出ていくA

その姿に少し寂しさを感じてしまったり

彼女は忙しい人だ

今日だって本当はもっと早くに帰ってきて、ゆっくり二人の時間を過ごす筈だった。

上司だとか、残業だとか。僕とAを邪魔するものではあるけど、会社員としての経験がある僕だからこそ我慢することが出来ている。

僕だけは理解者でありたい。

傲慢な願いかもしれないが、それは彼氏としてのプライドでもある。

さっきみたいに夜遅くまで働くAは、お風呂で寝るし、洗濯物も溜める。自炊も少ないし、外に遊びにも行かない。

でも、そこをサポートするのは俺のやること。Aの前では、いつだってそうやってスマートで優しくて頼り甲斐と余裕のある彼氏でいたい。

なのに

Aは俺を無意識に振り回す

Aをサポートしているだとか、理解者でありたいだとか、まるで自分が主導権を握っている様に言っているけど実際はそんなんじゃない

Aは無意識に俺を沼に引きづり込む

相手が居なくなって、生きていけなくなるのは実際には俺の方

本当に、ずるい彼女