【usss】優しくて頑張り屋さんな君は【snr】 (ページ3)

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車で移動すること約5分。もっと早く帰ってくるはずだった自分のマンションンに到着した。

「Aお腹すいてる？」

「あぁ〜あんまりかなぁ」

自分のネガティブなところは見せないように、せっかく優しくしてくれているセンラくんに心配させないようにと、必死でマイナスな感情を隠すように話す。

「そぉか〜でも食べないのは良くないから、ちょっと食べれるもの用意するで？その間お風呂入っといで」

「…ありがとう！」

さらっとセンラくんが料理をしようとしくれるあたり、本当に良い人なんだなと感心する。彼自身、一日の休みではなく、打ち合わせやリハなど普通に仕事の日だったはずだ。スパダリ発揮してくれるのはとても嬉しいが、無理はしないでほしいと願うばかり。

疲れきった重い体を動かしながらも浴室に入れば、自然と笑みが溢れた。

さすがセンラさん。何処まで気遣いができる人らしく、浴室は綺麗に洗われており、新しく温かいお湯が張られている状態で私を待っていた。

体を洗い終わり浴槽に入れば、全身の力が抜ける感覚がした。恐らく今私はこの世で最もリラックスしているだろう。

疲労が溜まった体に湯船の温かさと心地の良い入浴剤の匂いが相まり、完全にリラックスしきっていた私は、どうにも睡魔には抗えなかった。良くないと分かっていても、ゆっくりと意識を手放してしまった。

――――て、――――――おき、、あ、、、、、な――――

遠くで声が聞こえ、体を揺さぶられる感覚がし、ふわふわとした頭がどんどん現実に引き戻される。

「…………んぅ、、、あ、、、？」

「A？起きた？」

優しく声をかけてくれるセンラくん。ぼやぼやしていた視界が次第に明瞭になりはじめる。
とは言っても、頭はまだ働いていないからぼやぼやしたまま。

「疲れとるのは分かるけど、ここで寝るのは危ないで？風邪引くし。もうお風呂あがっ、、、て、、、、」

話を全く聞いていないことは申し訳ないけど、センラくんが目の前に居ることが唐突に嬉しくなってしまった。浴槽から腕を上げると、センラくんの片頬を手で覆い親指で優しく撫でる。驚いたように目を見開くその顔が少し珍しくて、自然と笑みが溢れた。

「んふ、センラくんだ…」

どうしたものか、固まって動かなくなってしまったセンラくん。いつも余裕そうなセンラくんにはないその様子に、少し勝ったような気分になった。