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理解くんの後ろからひょこっと顔を出す依央利。
にこやかな表情で俺の顔を見たかと思えば、視線をその下に移すと、次第にその表情は無に変わっていく。
「これは…………一体何をしてるんですか……???」
空気が凍る音がした
この空気に耐えかねたのか、この部屋から少しずつ出ようと、理解くんの足は数センチ単位で動いている。
が、逃がすわけがない。
俺は理解くんの足首を濡れたまま掴んだ。
「ア゛ッちょっ冷たッッッッ!!!!!!!!!!てか力強!?!?!?!?!?」
「依央利。あの、勝手にやったことは悪かった。ごめん。
でも、仕方なかったんだよ。理解くんが「依央利さんに頼ってばかりではだめだ!!!!!!そのぐらい自分で洗え!!!!!!」って怒鳴ってきたんだ」
「……は?」
「俺は依央利に頼って、やってもらいたかったんだ……!!!でもほら、こうやって俺の前で終わるまで監視をしてて、、、止めるにやめられなかったんだ、、、、、」
こうして適当なことを言って、悲しそうな顔をすれば、優しい依央利なら分かってくれるだろう。そう思い、依央利の方を見ると、案の定キレた笑顔で理解くんを見つめていた。
よっしゃ逃げよ
「じゃあ後は依央利に任せたよ!助けてけれてありがとう!!」
「そーゆーことなら良いよ!!!ありがとう!!!残りは僕がやっておくね!!!!」
「はっっ!?どこ行く気だA!!!!!」
「理解く〜ん?」
「あ、いや、これは違いましてですね依央利さん??????」
焦りと怒りとで感情ぐっちゃぐちゃになっている理解くんを横目に、俺はさっさと二階の自室へ戻った。
後ろから聞こえる理解くんと依央利くんの声は聞かないようにしよう。
ごめんよ草薙理解。まぁ頑張れ。
「覚えておけよこの虚言癖野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
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作者名:カエデ | 作成日時:2023年4月18日 19時