【鬼滅の刃】蝶よ花よ妹よ (ページ11)

今日:24 hit、昨日:8 hit、合計:281,751 hit

9:にぃにページ11

.

『にぃにーにぃにってばー！』

｢どうした。今日は本を読むんじゃなかったのか？｣

『そうなんだけどね、呼んでみただけ！』

妹の愛くるしい行動に悶絶する無惨だが彼の鍛えられたポーカーフェイスにより表情筋が緩むことはなかった。

彼女、Aが無惨を"にぃに"と呼ぶのは2人っきりの時のみ。彼女の千年越しの思春期である。

『にぃに～やっぱり遊ぼ！』

｢分かった分かった。何をして遊ぶ？｣

Aが提案したのは本...しかも絵本の読み聞かせだった。

いつも難しい本ばかり読んでる彼女だがたまに幼児向けの本も読みたくなるらしい。

快く承諾した無惨は座って足の間に彼女を挟んで後ろから抱っこする。傍から見れば恋人のような関係に見えるが実の兄妹である。

｢────で、幸せに暮らしました。
......どうしたA？｣

『運命の人ってどんな人なのかなぁって』

ピシッ...！と無惨の体が硬直したのをAは寄りかかっていた背中の感触で何となく感じ取った。

『ちょっと～？にぃに？』

｢A、想い人がいたのか。そうか、で、其奴の名は何という？早急に挨拶してこねばな｣

『え？』

何言ってんだこの兄は。
殺気ダダ漏れで挨拶とか絶対うそじゃん殺しに来てるよ。

いないよ、と言えばあからさまにホッとした無惨にこれはシスコンの域を超えてるんじゃないのか、と一瞬でも思ってしまった。

『ん～じゃあもし私に好きな人が出来たらどうする？』

｢殺す｣

ど正直に彼氏殺害宣言されました。
いらないけどね。自分より弱い人なんて嫌だし

『そうゆうにぃには彼女作らないの？』

｢いらん。Aがいればそれでいい｣

『あ、私もにぃにがいるからいらなーい』

笑うAの頭を優しく撫でる無惨は一人の妹を大事に思う"兄"だ。

前の妓夫太郎の話を思い出して"兄の顔"とやらを拝んでやろうと顔をあげれば自分と同じ赤眼(らしい)が視界に入った。

目に包帯を巻いてるため無惨からは見えないはずが包帯を通して目が合っている気がする。

『......優しい顔すぎでしょ』

あなたほんとに鬼の始祖ですかってぐらい優しい顔でした。絶対みんなにそんな顔しないのに。

｢A限定だ｣

『わお』

嬉しいか嬉しくないって言われたら嬉しいけどもっとみんなに笑ってあげようよ。パワハラ会議だっけ？怖いよにぃに

その後はあやとりした。楽しかったです

.