▽水色１９ ページ39
遅くなりすみません
Nakamu side
頭がぼーっとするなぁ
今日の午後に検査があり、疲れた｡
病室から覗く空はどこか綺麗だ｡
Na｢俺の好きな色…｣
今日、朝早くに来てくれたシャケ｡
好きな色とかはあるかと聞かれて答えられなかった｡
好きな色…
Na｢…ゔー｣
少し身を乗り出す様にして、両手を置く｡
大人になって社会にでて…不本意に、不条理な色ばかり見てきたからかな｡
結局メンバーカラーで良いとか言っちゃった｡
Na｢はー…風涼しぃ…｣
｢他人を通じて自ら知る｣とか、そんなことわざあった気がするし。
こんな事、簡単に思っちゃいけないだろうけど…一回窓から落ちてみようかな｡
どこに戻るか分からないけど…やってみる価値はある気がする
一回真っ白にするんだ｡
Na｢落ちて、みたり…｣
kn｢待って、何してるの｣
Na｢…きんとき…、わ｣
ぐいっと無理に引っ張られそのまま後ろに倒れ込む様に、ベットに戻される｡
俺を掴む手が、力がすっげぇ強い｡
kn｢何しようとしたの｣
薄っすらと月明かりに照らされる蒼い瞳は潤んで見えて少しだけ、珍しいなんて…思ったり
そっとその横顔に触れる
Na｢…何でそんな悲しそうなの｣
kn｢…なかむの…せいだよ｣
そのまま頭は俺の胸元へと頭をぐり、とする｡
だめだよ、服が濡れちゃうよ…なんて背中をぽんぽんと叩いてあげる。
kn｢ばか、この死にたがり野郎が…っ｣
Na｢俺がいなくても平気でしょ｣
kn｢煩い、これでも俺は人だ｣
まぁ昔の事なんて関係ない…、このままじゃ可哀想なのでぎゅっと抱きしめてあげる｡
ちょっと胸の傷が痛いけど親友の為に我慢だ｡
…次に死んだらどこに戻るのかな
生きてる、かな
kn｢…死なないで｣
Na｢死なないよ、…もう｣
kn｢死んだら俺も追うからな｣
Na｢それはダメ、いろんな手を使ってでも追い返してやる……それよりほら｣
少し顔を上げたきんときの顔を、頬掴んで優しく軽くおでこにちゅ、と落とす｡
そして
Na｢笑って、泣いて、生きて｣
kn｢…まだ、っ…言ってんのかよ…このバカ｣
Na｢じゃあ…合言葉にしようぜ｣
まだ何か言いたげな感じで、でも言い出せないのか下を向いてしまうきんとき｡
でも、暫くして顔をあげた彼はいつもの彼で…優しい笑顔。
Na｢ほら、出来たじゃん｡｣
kn｢煩せー…ただの…真似ただけの偽物だし｣
Na｢それでもじょーずだよ｣
もう少し、頑張ってみよう｡
頑張れたら…だけど
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作者名：rhum | 作成日時：2021年4月26日 19時
