【knkr】星は瞬き彗星は流れる。

47話 終わる日まで ページ48

kr side


kn｢ごめんきりやん…！！｣

まず最初に喋ったのはきんときだった。

喋ろうと思ってた矢先、彼の声により押し潰されたが彼に心配されたのだと思ったら、嬉しくて。
怪我は？呼吸は？他に何された？等と沢山の質問の波に押し寄せられる。

どれも大事だけど…

kr｢…きんとき、泣かないでよ｣
kn｢！……だって、きりやんが怪我したのも…っ｣

俺のせいだから、そう言うきんときを見ていたくなくて取り敢えず椅子に座る様にと先程までスマイルが座っていた椅子に座らせた。

なんとなく分かってる。
皆はただの事件だって言うけど。

kr｢俺は怒ってないよ｣

きんときって泣き虫だったっけ、と思いながら泣く彼も綺麗で可愛くて嫌いじゃない。
眼鏡は外されたままだからぼんやりするものの、見えない訳ではないけど……。

kn｢でも、…これ以上きりやんに…だから、俺達……｣

彼はその先を言わずに黙ってしまった。
震える手に、噛み締めた唇。
昨日体を重ねったっていうのに、願いが叶ったって言うのに俺はどうやら神様に嫌われているみたいだ。

そっと手に触れて、握る。

kn｢…本当に、ごめん｣
kr｢大丈夫…全部分かってるから｣

そう言ってるのに泣き止んでくれずにボロボロと泣き出してしまって…本音を言えば俺も嫌だ。

でも全部終わるまで、片付くまで。

kr｢…俺達、別れよう｣

きんときは口を開こうとして、閉じた。
本人も理解はしてるだろう。俺の手を握る手に力が入る、その気持ちに鼓動が早くなるものの今は我慢を強いなければいけない。

嫌いになってないよ、そんな意味を含めて…

kn｢―――――…｣
kr｢ん……｣

ちゅ…、なんて初々しい様なキスをした。
俺はまだきんときの事を諦めた訳じゃない、我儘を言えば意地でも離したくはない。
けれどスマイルや皆、きんときに言われてしまえばもう仕方がない。

kn｢…きりやん？｣

でも、

kr｢俺は…｣


――お前を殺したい程、好きだよ。


澄んだ声が聞こえたと思う。
驚いた表情の彼が愛おしくて、もっとよく見たくて目を細めたら頬に涙が伝っていった。

涙を拭おうとしてぎゅっと抱き締められた。

kn｢絶対！絶対に迎えに来るから…約束するよ｣

神様は本当に意地悪だ。
意地悪なのに…優しい。

kn｢だから今日までの事を忘れないで。…そして、終わったらキスの続きを…絶対にしよう｣
kr｢…破ったら許さない｣
kn｢俺だって…同じ気持ちだよ｣

苦笑い浮かべて、
最後のキスを交えた。

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