私の青春【Hokuto】【Kazuma】

この腕で ページ48

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いつも通り家の前に着くと

ふたりは立ち止まって見送ってくれるのだが、









壱馬「 あかん見たいテレビ始まるから家入るわ

じゃ、おやすみ！ 」


「 あい おやすみ 」


北人「 おやすみー 」









いち早く家の中に入っていった。

きっと壱馬の大好きな歌手の臣くんが出てる番組でも見るんだろうな、

だって壱馬が慌てるなんてそれくらいしかないし。


そして取り残された私と北人









北人「 早く家入んなよ 」


「 入る、入るけどさー 」


北人「 何？ 」


「 今日の女の子なんで断ったの？ 」









急に北人の表情が無になった


聞かれたくなかったことだったのかも。

でも一度聞いたら後には引けるタイプじゃないから









北人「 …まぁ、気分じゃないってとこかな 」


「 それってさ、 」


北人「 ほらアイス溶けるから早く家入りなよ 」


「 あ、ちょっ、 」









家の門を開けて私を玄関のドアまでグイグイ押す


さすが男子だ

体はモヤシでも力はなかなかあるようで。









北人「 じゃあ俺も帰るから。

あ、これあげる 」









コンビニのビニール袋の中をガサゴソ探って

ひとつのカップアイスを差し出してきた。

私の好きなグリーンティー味









「 え、北人の分は… 」


北人「 俺のはちゃんとあるよ

それはAの分だから 」


「 ありがとう嬉しい 」


北人「 やけに素直じゃん いい子いい子 」









この間よりはちょっと雑だけど頭を撫でられた


その表情はいたずらっ子のように笑ってて

なんかムカついたから泣きボクロを指でツーンってしてやった。









北人「 いた 」


「 もう帰る！おやすみ！ 」


北人「 おやすみ〜 」









急いでドアを開けて鍵を閉めた。

その瞬間に足の力が抜けて玄関でへたり込む。









「 すき…… 」







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