episode68 ページ19
_
「「 おつかれさまでした〜 」」
「 お疲れ様でした 」
一通りレッスンやリハが終わって
あっという間に空が暗くなって夜になった
慎「 壱馬さん帰りましょ 」
壱馬「 せやな 」
そんな声が聞こえて
後ろから吉野さんにドンッと背中を押された
振り向けば人差し指で壱馬くんのほうを指している
北人「 曖昧なのが一番傷つけるからね 」
「 …はい 」
北人さんの言葉にも背中を押されて
壱馬くんの前まで歩く
壱馬「 ん？ 」
「 あの、少し話したいです…時間ある？ 」
壱馬「 …あるよ
じゃあ慎エントランス先行ってて 」
慎「 わかりました Aさんまた明日 」
「 うん、ばいばい 」
壱馬くんは目を合わせると優しく微笑んでくれた
じゃあちょっと外で話すか、と
同じフロアにあるテラスに移動した
…壱馬くんはきっとこれから話すことに気づいてる
だって私の前を歩く背中が少しだけ寂しそう
壱馬「 んで話は？ 」
「 あの… 」
私の目をしっかり見る壱馬くんの表情が
優しくて切なくて、苦しい
これからわたしの言葉でこの人を傷つけちゃう
そう思うと上手く言葉が出てこない
壱馬「 ゆっくりでいいから 」
わたしを落ち着かせるために
ゆっくりと優しい声で話してくれる
そんな壱馬くんの優しさが染みて
じんわりと涙が目に溜まる
けど泣いちゃだめだ、泣ける立場じゃない
「 こないだの、告白のことなんだけど 」
壱馬「 うん 」
「 …やっぱりわたし、いっちゃんが好きです、
だから壱馬くんとは付き合えませんごめんなさい 」
深々と頭を下げる
その拍子に涙が溢れそうだったけど必死にこらえた
その瞬間、頭をポンポンと軽く叩かれる
壱馬「 頭上げて
樹のことが好きなのは分かってたし、
俺は選ばれないってことも分かってたよ 」
「 …、 」
いつもと変わらない優しい声
壱馬「 それでも少しでも可能性があればって思ったんだよな 」
「 …、ごめんなさい、 」
壱馬「 気にすんな 」
「 … 」
壱馬「 ほら今日約束あるんやろ？
はよ行ってこい 」
「 …うん、 」
壱馬「 明日から友人兼マネージャーとしてよろしくな 」
「 …はいっ、 」
壱馬くんにもう一度頭を下げて
いっちゃんのいるエントランスまで走った
一粒だけ涙が落ちた
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1095人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chess(プロフ) - ななさん» 秒で見てくれてるなんて…！嬉しすぎますありがとうございます(> <) (2021年3月6日 22時) (
レス) id: 07a190f439 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 続きが気になりすぎて、更新されたら秒で見ちゃってます（ ; ; ）これからも更新楽しみにしてます！！頑張ってください^_^ (2021年3月6日 19時) (レス) id: 81f9eeaa59 (このIDを非表示/違反報告)
chess(プロフ) - 愛桜さん» ありがとうございます！頑張ります〜＾＾ (2021年3月4日 16時) (レス) id: 07a190f439 (このIDを非表示/違反報告)
愛桜(プロフ) - 続きが気になりました。更新楽しみにしてます！ (2021年3月4日 2時) (レス) id: 50d985a3f8 (このIDを非表示/違反報告)
chess(プロフ) - matsuhi1214さん» ありがとうございます！嬉しいです！＾＾ (2021年3月3日 15時) (レス) id: 07a190f439 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chess
| 作成日時：2021年3月2日 22時
