世界が変わっても君と (ページ49)

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episode49 ページ49

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「お疲れ様ですー… 」

事務室に居た方々に挨拶をして

書類を湊さんのデスクの上に置いておく。

湊さんのデスク結構散らかってて

なんか色んな書類やらがグラグラ揺れてる

…バランスゲームなの？

事務室を出てすぐ隣のトレーニングルーム

明かりは点いててまだ人がいるっぽい

…いっちゃん居るかな

きちんとこないだのこと話さなきゃ

＂コンコン＂

ノックしてトレーニングルームの扉を開ければ

いっちゃんしか居なかった

「 …お疲れ様です」

樹「 …っ、おつかれ」

入ってきたのが私だったからなのかすごいびっくりした顔をされた

しかもかなりぎこちない返し

樹「 …… 」

「 …… 」

気まずい…

というか何を話していいかわかんなくなった

その間にもいっちゃんは黙々と片付けをしてる

樹「 …なんか用事あるんじゃないの？」

「 …あ、うん」

いっちゃんの声が、冷たい

普段からトーンは高くないけど

幼なじみやってるんだから声のトーンが違うことなんてすぐに分かる

「 …こないだのこと、なんだけど」

樹「 …あぁ別に気にしなくていいよ
俺ももう気にしてないし」

「え、…… 」

目を合わせてくれない

ただ淡々と言葉を吐き出してる

…いっちゃんってこんな人だったっけ、

「 …いっちゃん」

樹「それ、もうやめない？」

「え？」

樹「＂いっちゃん＂って呼ぶの」

「 …な、んで」

目の前に居るのは、誰……

わけがわかんなくなって頭が真っ白になる

涙をいっぱい溜めてるのがバレないように俯く

樹「 …もう俺ら子供じゃないんだし」

「 …… 」

樹「それに俺ら事務所のアーティストとスタッフなわけじゃん。距離感保つべきだと思って」

もうわたしの大好きないっちゃんは居ないの？

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