episode44 ページ44
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「 …なんでも、ないです 」
机の下で両手をぎゅっと膝の上で握りしめる。
…壱馬くんの顔が見れない。
今見たら全部感情が溢れちゃいそう、
いっちゃんのことが好きだって言っちゃう。
壱馬「 …樹となんかあった？ 」
「 …っ、 」
ビクッと反応してしまった。
あぁ、これじゃ肯定してるようなもんじゃないか。
壱馬「 話したら少しは楽になるかもよ 」
無理にはとは言わんけど、なんて
先程までとは違って優しさを含んだ声。
…少しだけ顔を上げると
壱馬くんの眉毛が八の字になってた。
心配してくれてるのかな……
「 いっちゃんが私の幼なじみなのは知ってるよね 」
壱馬「 うん 」
「 私がずっと言ってた約束してた幼なじみっていうのがいっちゃんのことで、 」
壱馬「 うん 」
「 約束の内容話したの覚えてる？ 」
壱馬「 …確か、迎えに行くって 」
「 そう、いっちゃんはあの日そう言ってくれた 」
声が震えて、掠れる。
こないだのことを思い出すと上手く話せない。
「 だからねこないだ聞いたの。
昔引っ越す前にした約束覚えてる？って。 」
��その約束ってさ、もう時効だよな��
��元々そんな昔の約束をいまだに信じてる方がバカだわ��
淡々といっちゃんの口から吐き出された言葉。
あの冷たい表情を忘れられない。
「 …そ、したら…っ、 」
壱馬「 …うん 」
「 …覚えてるけど、もう時効だよなって……。
そんな昔の約束信じてる方がバカだって。 」
壱馬「 …… 」
「 …そんなこと言われるくらいだったら、
覚えてないって言われた方がマシだった……っ 」
ポロッと涙が零れて
自分の手の甲に落ちていく。
一粒、二粒と次々に。
「 …今までなんのために、
ここまでやってきたのかな……っ 」
「 ずっと約束信じてバカみたいだよね…… 」
自分が馬鹿すぎて呆れてくる。
泣いてるはずなのに乾いた笑いも出てくるなんて、
相当キてるなぁ私。
壱馬「 …無理して笑わなくていい 」
「 え、… 」
壱馬「 辛いならいっぱい泣けよ 」
次の瞬間、
視覚と嗅覚は壱馬くんでいっぱいになった。
…あぁ、抱きしめられてるんだ。
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ゆりか(プロフ) - ドロドロな展開待ってます！！ (2021年1月26日 15時) (
レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chess
| 作成日時：2021年1月12日 8時
