世界が変わっても君と (ページ43)

今日:36 hit、昨日:57 hit、合計:285,528 hit

episode43 ページ43

_

「な、何言ってるんですか！」

__「え～ちゃうん？」

「そもそも付き合ってないですから！」

__「ふぅん。じゃあお友達なんや」

「いえお友達じゃなくて、
私LDHでスタッフとして働いてるんです。」

__「へぇ。ランペのマネとか？」

「一応今はFANTASTICSのマネージャー補佐やってます。」

__「そうなんや！
この店よく勇征とか大樹よく来んねん

ランペだと陸とか翔平に北人とかな」

ここに来るとその人たちに会う可能性があるのね、

みんなが来なさそうな時間見計らって行こう。

__「 Aちゃんって今年入職したばっか？」

「はい、そうですけど… 」

__「そうかそうか君が勇征のねぇ。」

「え…？」

ニマニマしだしたマスター、

掴めない人だ。

__「そういえばたまに樹も来るよ女の子と」

＂樹＂

その名前だけで胸がドクッと鳴った。

いっちゃんにはやっぱりもう彼女が居るんだ…

だから昨日もあんなこと言ったのかな。

もう昔交わした約束は無効だって、

いつまでも信じてる方がバカだって。

「 ……そう、なんですね、」

マスターは悪くないのに

今その話をしたマスターに嫌気がさす。

仕方ないんだよ、だってマスターは知らないし

私がいっちゃんに片想いしてること。

感情がぐちゃぐちゃになってきて

うっすらと自分の瞳に涙が溜まるのが分かる。

壱馬「なにしてんすかマスター」

いつもの声よりワントーン低い声。

顔を見なくても機嫌が良くないことがわかる。

__「え、少し話してただけやけど？」

壱馬「はよ仕事してきてください」

__「壱馬きゅんこわーい」

そそくさとキッチンに戻っていくマスター。

壱馬くんは目の前に座って顔を覗き込んでくる、

私は見られたくなくて下を向く。

壱馬「で、なんでそんな泣きそうなわけ？」

やっぱり彼にはバレてしまうらしい。

_