世界が変わっても君と (ページ41)

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episode41 ページ41

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スタジオの片付けをして

エントランスに向かうと壱馬くんがベンチに座っていた。

遠くから見ても分かるほどオーラがあるし、

足を組んでスマホいじってる姿も様になってる。

少しだけ駆け足で向かうと

その足音に気づいてくるっとこっちを見た。

壱馬「おつかれさま」

「待たせちゃってすみません… 」

壱馬「全然いいよ。よし、行こっか」

「どこ行くの？」

壱馬「近くのカフェはどう？
俺の知り合いがやってんやけど」

「わぁ行きたい！」

壱馬「じゃあ決まりやな」

まだ太陽が上の方にある時間に

のんびりできるなんて久しぶりでワクワクしてる。

壱馬「ここから歩いてすぐやから歩きで行こ」

はい、と差し出された壱馬くんの綺麗な手。

手をわたしも同じように差し出すと

ちがうわって笑いながら言われた。

え？じゃあどういうことかって聞こうとしたら

壱馬「手繋ごって意味」

「いやいやだめですよ！
壱馬くんは芸能人なんですから！」

壱馬「変装してるから大丈夫やって」

「もし撮られたらわたし自害します…… 」

壱馬「自害て。笑」

結局壱馬くんは私の主張に負けて

カフェまで手は繋がずに歩いた。

まぁね、これが当たり前なんだけどね。

着いたのはシックな雰囲気のカフェ

さすが中目黒にあるお店は雰囲気からオシャレだ。

私だったら入ることすら躊躇いそう…。

壱馬くんはそんなこと気にもせず店の扉を開けると

__「いらっしゃいませ」

壱馬「こんにちはマスター」

__「おお、壱馬やん。久しぶりやな」

関西弁の爽やかなお兄さん。

黒髪サラサラヘアーで壱馬くんみたいな人、

切れ長の目が壱馬くんから私に映る。

するとその目が開かれて口角が上がっていく。

__「まじか、えぇ！壱馬が女の子連れてきた！」

壱馬「ちょっ、マスター声大きいですって、！」

__「大丈夫やって！
今日お客さんおらへんのやからぁ」

壱馬「だとしても！Aビックリしてるから」

かなり陽気な人らしい。

今もケラケラ笑ったり嬉しそうな顔してたり、

いいお兄さん感がにじみでてる。

__「あぁ、ごめんね。Aちゃんやっけ？
壱馬が女の子連れてきたことないからビックリしちゃってさぁ」

その言葉になんだか頬が熱を持った気がした。

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