世界が変わっても君と (ページ5)

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episode5 ページ5

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( １ヶ月後 )

あれから事務所内を案内してもらって

FANTASTICSの皆さんとご対面して挨拶。

岩さんとはまた違った爽やかさがあって

色気がある、というよりかはフレッシュさが強い。

溢れ出る未来のスター感が眩しかった

なんてぼそっと呟けば大樹くんのツボに入ったらしい。(名前と顔は覚えた)

湊『おーいA 聞いてる？』

颯太『 Aさん意識飛んでました？』

大樹『起きろ～』

「は！！！」

我に返ると目の前にはパソコン

そしてその画面に映るのは自分とその他9人。

ファンタのメンバー全員と湊さん

今リモート会議中だったのすっかり忘れていた。

入社してからすぐに緊急事態宣言が発令されて

事務所やスタジオの人数制限も厳しくなって

わたしはリモートや在宅での仕事が増えていった。

ファンタのCL番組のファンカジもリモートになって

アーティストがリモートであれば

それの担当であるマネージャーももちろん在宅で。

…正直、寂しいかな。

慣れない仕事を先輩がいない空間でやるのは不安、

しかもずっと家の中でひとりで孤独。

そろそろ事務所に行って働きたい。

ファンタのメンバーに会ったのも両手で数えられるくらいだし。

堀夏『また意識飛んでね』

八木『 Aは瞑想中なの？』

湊『 A！起きろ！』

「わっ！ごめんなさい！すみません！」

慧人『間抜け面のAさんの写真撮っちゃいました～』

実際に会ったのは少ないのに

リモートで毎日顔を合わせるからかとても仲良し。

97年の同い年組なんて三人でリモート飲み会するくらいにね

湊『皆喜びなさい
明日からはリモートじゃなくてスタジオで撮影！』

世界『よっしゃああああああ！』

黎弥『久々すぎて誰かに抱きつきそう。笑』

湊『ソーシャルは守るんだよ黎弥』

澤夏『早く明日来ないかな』

みんなが画面の中ではしゃぎ合う姿を見て

早くこの人たちに会いたいと思って口から

「 ……たのしみ、」

とこぼれると画面の向こうが一気に静かになって

不安に駆られると大樹くんがニコニコしてた。

大樹『早く一緒に仕事しような』

大樹くんのこの言葉に頷くと

みんなに俺らのこと大好きかよ～といじられた。

心がほっこり温まって、

ひとりぼっちの家も全然寂しくなくなった。

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