世界が変わっても君と (ページ34)

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episode34 ページ34

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「「乾杯～」」

最寄りの駅から徒歩10分のいっちゃんの家。
３人でワイワイ楽しく思い出話に花を咲かせる。

割と本数を飲んでいるから顔が赤くなる翔平。
今の話題は中学時代のバレンタインデーの話になる。

翔平「俺さ～毎回EXPGの時にさ～これ樹くんに渡して、って言われんの！自分で渡せよ！」

「あははっ確かに翔平たくさんいっちゃんのチョコ持ってたもんね～翔平可哀想。」

樹「でも、それ俺悪くなくね？」

翔平「おまえがモテなきゃいいんだよ！」

元々アホみたいなことするとうるさいけど、
酔うと声が馬鹿みたいにうるさい。

まだそんなに酔ってないいっちゃんと
そんなに飲んでないわたしは目を合わせて苦笑いだ。

「ほら翔平飲み過ぎだよ。少し寝た方がいいよ」

樹「翔平頼むから吐くのだけはやめて。
ソファーで寝てていいからさ」

翔平「あ"ーい… 」

こんなふうに酔う翔平を見ると、
わたしたちもうとっくに大人なんだなって思う。
あの頃はビールの味も知らない子供だったのに。

私たちの言葉でソファーに寝転ぶ翔平。
近くにあったブランケットをかけてあげてるいっちゃんを見てニヤけてしまう。
…なんだかんだ文句言いながらも、
いっちゃんは翔平のこと大好きだもんね。

樹「翔平寝るのはいいけどちゃんと帰れよ」

翔平「う"ーん…… 」

「もう寝てるね… 」

眉間に皺を寄せて寝てるけど
なんか赤ちゃんみたいで可愛く思えてきた。

思わずケータイのカメラに収めると
後ろからねぇ、と声をかけられた。

「ん？…わっ、」

振り返れば思ったよりいっちゃんの顔が近くて
急に心臓がドキドキ音を立てる。
いっちゃんに聞こえてしまいそうなくらいに。

樹「話したいこと、あるんだけど。」

「 …私もある」

樹「じゃあAから言って」

「 …わかった。
あのね中学の頃の約束の、… 」

＂♪ ～＂

誰かのケータイが鳴っている。

わたしは今手に持ってるからいっちゃんか翔平のどちらか。いっちゃんがごめん、俺だわと立ち上がる。

樹「マネからだ。
ごめんちょっと出てくる、待ってて。

コーヒー入れてくれると嬉しい」

「うん、わかった」

いっちゃんは廊下に出ていった。

わたしはケータイをテーブルに置いて
コーヒーを入れるためにキッチンに向かった。

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