世界が変わっても君と (ページ33)

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episode33 ページ33

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いっちゃんに連れられて事務所のエントランスに行けば、赤髪に黒のニット帽の人が立ってた。
いっちゃんがその人に近づいてくから段々と誰だかわかってきて、向こうも気づいたのかあ、と顔をした。

樹「翔平おまたせ」

翔平「やっと来たか」

「ん？どういうこと？この三人でご飯？」

樹「そうだけど言ってなかった？」

聞いてないわ！なんて言える訳もなく…。
うん、と言えばごめんごめんと笑って言われた。

…てっきりいっちゃんと二人だと思ってたから、
ちょっとガッカリかもしれない。
いや、翔平が嫌いとかじゃないよむしろ好きだよ。
けど好きな人とふたりって格別じゃん？

翔平「まぁいいじゃん。な？行こうぜー」

「どこ行くの？」

翔平「樹それも言ってねえのかよ」

樹「別に言う必要ないと思ったし」

翔平「いやあるだろ。
今から樹の家でマースと戯れながら飯な！」

「え！マース？！」

慧人くんにいっちゃんの愛猫・マースが可愛いってのは聞いてたし、インスタも見せてもらった。
いっちゃんの溺愛っぷりには驚いたけど、
その驚きを超えてくるほどの可愛さ。あれは罪だ。

是非とも会ってみたいとは思った。
まさかこんな直ぐに叶うとは思ってもみなかった。

翔平「マース超可愛いんだよ！
あいつお手も出来るし凄くね？」

樹「なんで翔平が言うんだよ。笑」

昔に見た懐かしい2人のやり取り。
あの頃もこうやってふたりを見て笑ってた。

「 …ふふっ」

樹「なんか、昔に戻ったみたいだな」

翔平「それ思った！
いつも俺らのやり取りでAが笑ってんだよな」

「 3人同じこと考えてたんだね」

ふたりが…いっちゃんが、
あの頃のことを覚えててくれて嬉しくなった。

だとしたらあの時交わした約束も覚えているのかな。

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