世界が変わっても君と (ページ31)

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次の日の朝。

いつもうるさく鳴るアラームじゃなくて、少しの頭痛で目が覚める。外からわずかに聞こえてくる音。
あぁ今日は雨だ。

「いた… 」

頭が痛いのは二日酔いだからか、低気圧のせいか。
どちらにせよ仕事に影響を及ぼさないようにしないといけない。重たい体を起こして寝室を出る。

顔を洗ってドレッサーの前に座ってメイクを施すための下地とファンデを塗る。…ん？今日っていっちゃんと約束した日だよね。
塗ろうとしていたアイシャドウを置いて、お気に入りのラメのアイシャドウを塗る。いつものメイクとは違う、特別な日用のメイクを完成させていく。

「うわ…いつもと違いすぎたかも」

気合入れすぎ、とか言われちゃうかな。
いっちゃんって人の変化とかに敏感だから。

でもいっちゃんに可愛いって思ってもらいたいから、なんて乙女みたいな理由を考えて今度はコテを温める。湿気のせいで髪の調子は悪そう。だったら毛先を巻いてポニーテールにしてみようかな、いつもはストレートで下ろしてるし。

今日の私とことん思考が乙女かもしれない。
綺麗に巻けた髪をゴムで結んで、後れ毛と前髪と触角を巻いていく。オイルをつければ完成。

「あとは、服だけ」

クローゼットを開けて服を物色。
メンズライクを好む私のクローゼットにピンクなんてない。服装も乙女、まではいかなかった。
まぁピンクは自分に似合う色じゃないからいいんだけどさ。

お気に入りのスウェットにロングスカートを履いて完成。そういえば今まで会社はオフィスカジュアルな格好で出勤してたけれど、湊さんに無理しなくていいよって言われてやめた。

「よし今日も頑張ろう」

ひと通りの準備を終えて、朝食を食べて少しズキズキする頭痛と戦いながら家を出た。

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