世界が変わっても君と (ページ12)

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episode12 ページ12

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聞き慣れない声を聞いて振り向くと

金色に輝く髪をオシャレなキャップで隠している人。

…確か、長谷川慎さん

まこっちゃんって呼ばれてるんだよね

「はい…？」

慎「コレそこの椅子においてありました」

目の前に出されたのはスマホ

深緑色の落ち着いた雰囲気のスマホカバーは

どこか見たことがある気がする。

慎「あの位置だったんで多分FANTASTICSの誰かだと思うんですけど… 」

「あー… 」

あ、思い出した。

プライベートで開催されたリモート飲み会で、

同い歳の勇征となっちゃんとワイワイした時になっちゃんがご機嫌になりまして

Zoomの画面を深緑色のスマホケースでパシャってた気がする。

慎「心当たりあります？」

疑問と共に首も傾げるまこっちゃんさん。

多分なっちゃんのだと思う、と言えば

深緑色のスマホカバーのスマホを差し出す。

彼の数歩後ろには

黒いバケットハットに黒マスクをした真っ黒な男の人が居て

じっとわたしを見つめていた。

なんだろう…すごく見られてる気がする…。

帽子にマスクつけてるから目元しか見えないけど

誰かに似てる気がするんだよね、誰だっけ。

慎「あのー… 」

「あ、すみません！
多分なっちゃんのだと思います預かりますね」

慎「よかったお願いします」

まこっちゃんさんの後ろの人のこと見すぎちゃった。

でもその人もずっとこっち見てるんだよね

まぁいっか

慎「じゃあそろそろ行きます
Aさんまた今度お会いしましょうね」

「あ、はい…また」

わたしの目の前を通るまこっちゃんさんと黒い人。

その時にふわっと香ったのは

なんだか嗅いだことのある懐かしい匂い。

なんだったっけなぁ……

「ってあれ…いつの間にか誰もいない」

忘れ物がないか部屋の中をまわって

わたしも部屋を後にした。

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