世界が変わっても君と (ページ11)

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颯太「 Aさーん」

「うわっビックリした… 」

颯太「あ、ゴメンなさい。
なんか樹さんといい雰囲気ちゃいました？」

「え、どの辺が…？
いっちゃん意地悪ばっかりしてくるよ」

颯太「好きな子には意地悪しちゃう、とかありますやん」

慧人「そうそう～」

年下コンビがニヤニヤ問い詰めてくる。

そりゃわいっちゃんがまだあの約束を覚えててくれるなら

どんなに嬉しいことか。

でもキラキラな芸能人になった彼はきっともう

そんなこと忙しくて忘れてしまってるだろう。

ねぇ、でも約束覚えてくれてるって期待してもいいかな。

今度会えた時に聞いてもいいかな。

颯太「 Aさーん？」

慧人「ぼーっとしてましたね」

「ごめんごめん。何の話してたっけ？」

颯太「好きな子には意地悪しちゃうって話ですよ」

「でも…ずっといっちゃん昔から意地悪だよ。
たまに優しいけど」

慧人「え～でも樹さんの今までの彼女とかにすごい優しかったですよ」

颯太「慧人、っ」

あっ、という顔をしてすぐに眉を下げる慧人くん。

このふたりにはもうわたしの気持ちがバレてるのか。

出会って１ヶ月…

直接話したのはまだ数える程しかないというのに。

それに…気を使わせてしまった。

颯太「慧人の言葉信じない方がいいですよ。
この人よく適当なことばっかり言ってるんで」

慧人「ちょっと言い方！
まぁでもこれはデタラメなんで！」

「うんそっかそっか… 」

颯太「じゃあ先にエントランス行ってますね」

慧人「 Aさんも早く来てくださいね～」

手をヒラヒラ振って部屋を出ていったふたり。

まだ数人部屋には居るけど

誰も知ってる人がいないから急にひとりぼっちになった。

わたしも忘れ物ないか確認したらエントランス行こ…

__「あの… 」

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