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-樹side
A「あー、でもダメだ、照れる。
いっちゃんにしよ。」
樹「なんでですか!?
他の人は呼び捨てなのに。」
A「だっていっちゃんは王子様みたいだもん…。」
Aさんが斜め下を見ながら言う。
その頬はほんのり赤い。
さっきまで男だと思っていたのに、急に女らしく見える。
気をつけて見ると、透明感のある白い肌や長い睫毛に気付く。
身体の線も細い。
…あ、だから2日に1回ジムでトレーニングしてるんだ。
筋肉をつけて、女だとバレないように。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
樹「…さっきライブでAさんが今までダンスできたのはお兄さんたちのおかげだって言ってたの、あれどういう意味ですか？」
A「あー、あれ？」
Aさんは読んでいた本に栞を挟んでサイドテーブルに置いた。
A「俺さぁ、親に育てられた記憶無いんだよね。
ずーっと兄貴が育ててくれた。
母親は俺たちを産むだけ産んで、育児放棄。
あの人から兄貴がまともに育ったことが驚きだよね。
…俺が生まれたとき、兄貴は14で兄さんが11で雪にぃと和にぃは6歳。
皆学校には入ってた。
毎日兄貴が保育園まで送り迎えしてくれて、俺が産まれて半年くらいしたら兄貴が高校生になって兄さんは中学生になって。
兄貴はバイト始めて、兄さんはスカウトされたのきっかけでモデルを始めて、俺を育ててくれた。」
樹「え、蒔筝さんもモデルしてたんですか？」
A「うん。
美容師になって、お給料が安定するまでやってた。
和にぃと雪にぃも中学入ってモデルになって、和にぃは8年前かな？
それくらいにホストになって、多分兄弟の中で一番稼いでる。
…俺が小学校に入った年に母親が男と逃げたんだ。
父親は働きもせずに昼間から酒飲んでは暴力振るうようなクズでさぁ。
…兄貴、中学から柔道やってて、いっつも俺たちを守ってくれた。
ジムにも通ってて、高校卒業と同時にそこでトレーナーとして働き始めて。
…兄貴が遅くなった日にね、いつもみたいに酔っ払った父親に背中を一升瓶で殴られたんだ。
それで背骨にひびが入っちゃったんだ。
…兄貴はキレて、俺たちを連れて家を出て。
もう兄貴は成人してたし、そのときにはもう和にぃたちもモデルやってたから、それなりに稼ぎはあって。
…マンションの部屋借りて、5人で暮らしてた。
ある日、兄さんがライブのチケットもらってきたんだ。
…EXILEのチケット。
11年前だったかな、俺小学5年生だった。」
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直実(プロフ) - 玲於菜さん» ありがとうございます！こんな駄作を読んでいただけているだけで嬉しいです。これからもよろしくお願いします (2019年6月2日 17時) (
レス) id: 30cb587ed2 (このIDを非表示/違反報告)
玲於菜(プロフ) - この作品めっちゃ好きです！これからも応援してます！ (2019年6月2日 17時) (レス) id: 6a5583a7b8 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます！ (2019年3月8日 21時) (レス) id: 30cb587ed2 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - ランぺで大好きなのはRIKU君と樹君と北人くんと岩谷翔吾君大好きなんです最高です (2019年3月8日 19時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：直実
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu
作成日時：2018年11月21日 22時
