RAMPAGEの男装少女

11 ページ12

-Aside

GOTR東京公演から5ヶ月。

ファンの人たちは俺を温かく歓迎してくれた。

公演を重ねるにつれて、俺のネームボードを持っている人がいたり、客席に降りたときに名前を呼ばれることが多くなった。

…くん付けされることが多いのは仕方ない。

でも、個人的には呼び捨てされる方が好きだ。

踊るのは楽しい。

出来ることなら死ぬまで踊っていたい。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





そして迎えたツアーファイナル。

場所は大阪。

陣さんと壱馬、翔吾の出身地だ。

ファイナルということもあって、皆気合いが入っている。



彰吾「…怪我のないように、全力で楽しみましょう！」



彰吾さんが声を掛ける気合い入れ。

アドレナリンが身体を駆け巡っている。

待ちきれなくて、ぴょんぴょん飛び跳ねていると陣さんに笑われた。



陣「Aちょっと落ち着けや。」

A「だって早く踊りたいんすよ！」

陣「気持ちは分かるけど、はしゃぎすぎて怪我したらあかんで？」

A「はーい。」



返事をして、近くにいた龍の広い背中に飛びつく。



A「りゅーうー！」

龍「うわっ!?なに!?」

A「えへへー、なんでもない！」

龍「テンション高いね。」

A「だってファイナルだよ！」

慎「…Aってテンション上げるだけ上げて最後感極まって泣くタイプだよね。」

A「うるさい。」



べー、と慎に向かって舌を出す。



陣「ほら、始まんで。」



陣さんの少し呆れた声に、俺は気持ちを引き締めた。

12→←10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す