🎮E p i s o d e .62🎮 ページ26
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壱「A、」
『陸先輩が、』
俯きがちに下唇を少し噛んでるAが言うた。
"陸先輩"
またあの男か。
やっぱりはっきり言うた方が良かった。
壱「何なん」
『マンションの下まで来とるって』
どんな男やねん。
こんな時間に、マンションの下まで来てちょっと出てきてくれって。
壱「断ったらええやろ」
『ん、、、』
分かってるよ。
断られへんよ、Aは。
俺の誕生日もちゃんと話そうとしとったもんな。俺が邪魔していい訳じゃ無いけど、またこいつがしんどい思いしたらどないするん。
もう十分やろ。
壱「行かなあかんの?」
『……うん。ちょっと色々あったから、』
"色々"
その中に何が含まれてるんかは、俺には分からへん。
ただの幼馴染の俺がこれ以上引き止める事は出来ひんな。
壱「そ、あんま遅なるなよ」
『うん、』
一応釘は刺しといて、Aを行かせることにする。
Aが出ていってから、ベランダの窓から下を見た。
確かに、おったあの男。
ほんま腹立つよな。Aにここまでさせる事出来るもんな。
壱「はあああああああ」
Aがおらへんのをええことに、ソファに腰掛けて大きなため息をつく。
何で、あいつばっかり構ってもらえるん。
俺はアピールしてもあと一歩が届かへん。
悲しく音を立てる2台のSwitch。
所詮、ただの幼馴染でゲームや、趣味の傾向が合うだけで一緒おる。
幼馴染から前には進まれへんのかな。
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作者名:16葉 | 作成日時:2023年1月18日 22時