幼なじみ攻略法.⑵【川村壱馬】 (ページ25)

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それは、1月の後半に差し掛かった頃やった。
Aの家で相も変わらずSwitchを持ってポケモンに勤しんでたとこ。

『川村さん、』

壱「ん？」

俺の誕生日にやった腕枕とやらをAの家に来てもやってる。
まじで憧れやったんよ、これ。

1回やってハマった。
こいつめっちゃ頭ちっこいし。

『ペース落とすって言うてたやんな』

壱「おー」

『これなんなん』

壱「誕生日にやったやつ」

『落としてないやん、バッチリスピード違反やでな？』

ムスッとした顔で抗議してくる可愛い幼馴染。
どんな顔してても可愛い。

壱「はいはい、可愛い」

『笑てる(わろてる)場合ちゃうし』

壱「照れ隠しやろ、それ」

こうやって言うてくるんも、照れ隠し。
こういうの、慣れてへんもんな。

なんて、やり取りをしてたらAのスマホが音を立てる。

『ちょ、ごめん』

そう言って離れていく。
Switchを置いてスマホを持ち上げる。

画面を見たAの顔が曇った。

『ごめん川村さん、一瞬出るわ』

そう言って上着を取りに行こうと立ち上がる。
出て行く？どこに、誰と会うんこんな時間に。

壱「A、」

『ごめんな、すぐ帰ってくる』

壱「ちゃうって、こんな時間にどこ行くねんて、」

『ちょっとそこまで』

なんかで聞いたことあんな、そのセリフ…そうやなくて！！

Aの手を掴んで聞く。

壱「誰に会うねん、」

『ちょっと、』

あからさまに、コンビニ行ってくる！みたいなノリじゃない。昔から嘘を付けへんAやから、口ごもってる。