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Angel 22 ページ24

「きゃ、ちょっと、ホントに何なんですか、」

「んー?入ったら分かるって、」


背中をグイグイ押されて逃げようにも逃げられない。そのままリビングへ強引に押し込まれて、


「―――A」

「佐野、さん…」

ソファからこちらを見つめる彼と目が合った。少し痛んだ白髪と、対照的に真っ黒な目。鼻筋の通った端整だけど、少し疲れ気味な童顔。

彼と会うのは随分久しぶりな気もする。



大きなテーブルの上には、ウイスキー、ビール、ワイン、日本酒といったあらゆるお酒が大量に載せられていて。

「お酒好き?」

蘭さんにそう聞かれて、私は唇をもごもごと動かす。

「すごく、好き…ですけど、でも、凄く弱いので」

そう。お酒は割と好きな方。カクテルバーとか行くのも好きだけど、結局全然飲めずに雰囲気だけ楽しむという、謎体質。


「…飲みませんからね」

「まあまあそんなこと言わずにさ」

キリリと眉を吊り上げてそう言えば、何故か戸棚の方へ向かう蘭さん。そのまま棚から美しい水色のボンベイ・サファイアのボトルを取り出した。
それに真夏の草原みたいな緑色のグリーンペパーミント、レモン果汁とシロップとソーダをステアして、氷をたっぷり詰めた大ぶりのグラスにそそぐ。


その手際があまりにも良いのと、蘭さんの綺麗な長い指に見惚れている間に、すっかりそれは出来上がっていた。


「エメラルドクーラー…」

「飲みたいでしょ、Aちゃん」

飲みたい。ものすごく飲みたい。薄緑色の綺麗なお酒が、私を誘惑する。



「1杯ぐらいいいんじゃねぇの?」

横から竜胆さんの後押しも入り、私は飲むことにした。決心が弱いのは自覚済みですごめんなさい。




「んーー…、美味しい!」

「それは良かった♡」

横で蘭さんがにこにこ笑ってる。私もつられるようにソファに座れば、佐野さんが頭を優しく撫でてくれる。勢いのまま、こく、こくと液体を流し込んで。


頭がふわふわして、ものすごく愉快な気持ち。心の中のモヤモヤがどこかへ行ってしまったような、甘美な感覚。



「そんでェ?オレらがAのこと、ウザいとか言ってたっつうのは、どういうことか春ちゃんに教えてくれよォ」


三途さんが横にドカッと座り込み、私の顔を覗き込んでそう言う。
なんでー?なんでってそんなの、


「だって、だって、あの女の人がそう、いってたから…」

私の口は自然と言葉を吐き出していた。

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@じゅら - パクりですか? 似てる作品を知ってるのですが… (11月26日 22時) (レス) @page47 id: d21974408e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - はじめまして瑠璃と申します。ハッピーエンドかと思いきやまさかの展開でびっくりでした。続編希望します。 (9月5日 16時) (レス) @page45 id: f3335c8e16 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - めっちゃ最高です (2023年1月11日 22時) (レス) id: 395eb4f5e7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - これってもしかしてお隣の天使様に駄目人間にされていた件っていうのを参考にしてますか? (2023年1月11日 22時) (レス) id: 395eb4f5e7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃてぇ(プロフ) - 初コメ失礼します。 梵天のメンバーたちが夢主ちゃんに依存?しちゃう感じででもほんわかな感じで三ツ谷君とこのままハッピーエンドで終わるのかなとおもったら最後の最後でバッドエンドで裏切られました。終わり方も切なくていいなと思いました。続編待ってます (2022年10月30日 22時) (レス) @page47 id: ae31029510 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年11月3日 20時

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