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Angel 11 ページ13

――A――


何度も断っているのに、彼らは一向に引いてくれる気配がない。
それどころか、ますます勧誘はしつこくなるばかりで。


「そう固いこと言わずにさぁ〜」

腕まで掴まれて、逃げることすらままならなくなって。



「もう、やめてください、離してください…」

視界がじんわりとぼやけ始めて。自分の見た目が多少整っていることは知っているけれど、それだけで、どうしてこんな目に。



こんな人たちの前で涙なんて見せたくない。それでも声に嗚咽が混じりそうになって、必死にこらえる。いっそここで大声で泣き喚けば、流石に諦めてくれるだろうか。


本気でそう考え始めて、



「A、」

「蘭ちゃんが迎えに来てやったぞ〜?」

いきなり後ろから抱きつかれる。ふんわりした香水のいい匂い、もうすっかり覚えてしまったその香りは間違いなく、


「…蘭さんと、竜胆さん」

相変わらずの蠱惑的な微笑を浮かべて、優しくこちらを見つめている。


「泣いてんの、お前」

顔を上げればそこには竜胆さんがいて、どこか気遣わし気に私の顔を見ていた。


「いっ、いえ、泣いてなんか…」

「噓ばっかり」


綺麗な親指が伸びてきて、目元をそっと拭われる。彼の指先は確かに、透明な雫で濡れていて。恥ずかしくなって俯けば、私に抱きついたままの蘭さんの手が後ろから伸びてきて、軽く顎を掴まれた。



「だから俺、前に言ったよな〜?Aちゃん。――――こういう奴らは、やんわり断ったらますますつけあがるだけだから、しっかり拒否しろよって。…覚えてるよなー?」



蘭さんはにこにこ笑顔を浮かべていたし、口調も柔らかいのに、何故か背筋がゾクッと冷えるような感じがして。――――怒られているのだと、分かった。


「……はい、ごめんなさい」

消え入るような声で謝れば、即座に竜胆さんが口を開く。


「あんまキツく言ってやんなよ、兄ちゃん。そーいうとこが可愛いんだから」

「……。―――それもそっか♡」

ごめんね、と頭を撫でられて、目を白黒させながら頷いた。取り敢えず竜胆さんありがとう。


「そんでぇ〜、次は君たちのことなんだけどー」

高級そうなスーツを着て、いかにもできる大人感を出す灰谷さんたちに、彼らはすごく驚いてるみたいだった。



※明らかそっち系の人だと分かるタトゥーとか振る舞いにビビッてるだけです。Aが異常にそういうことに疎い。

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@じゅら - パクりですか? 似てる作品を知ってるのですが… (11月26日 22時) (レス) @page47 id: d21974408e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - はじめまして瑠璃と申します。ハッピーエンドかと思いきやまさかの展開でびっくりでした。続編希望します。 (9月5日 16時) (レス) @page45 id: f3335c8e16 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - めっちゃ最高です (2023年1月11日 22時) (レス) id: 395eb4f5e7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - これってもしかしてお隣の天使様に駄目人間にされていた件っていうのを参考にしてますか? (2023年1月11日 22時) (レス) id: 395eb4f5e7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃてぇ(プロフ) - 初コメ失礼します。 梵天のメンバーたちが夢主ちゃんに依存?しちゃう感じででもほんわかな感じで三ツ谷君とこのままハッピーエンドで終わるのかなとおもったら最後の最後でバッドエンドで裏切られました。終わり方も切なくていいなと思いました。続編待ってます (2022年10月30日 22時) (レス) @page47 id: ae31029510 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年11月3日 20時

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